ロックの真髄を聴かせる「ラブホリック」がデビュー

 生硬な名前のバンドがデビューアルバムを出した。プレーヤーでCDを再生すると、1曲目が耳に響きわたって期待が高まる。久しぶりに味わう音楽を聴く楽しみ!

 1stアルバム『フロリスト』をリリースした3人組のバンド「ラブホリック」。転換期に達した韓国ミュージックシーンに、かつてない新星が突如、現れた。

 「テレビに出たい(しかし音楽とは関係ない)お子様たち」や大手企画会社が無理やり作り出した「似非ミュージシャン」たちが多かった中、そうした異常な雰囲気が徐々に薄れてきている。「ラブホリック」はフォークデュオ「天気予報」の元メンバーのカン・ヒョンミン(34)とベーシストの李ジェハク(31)、新人女性ボーカルのチソン(25)の3人編成だ。

「最近、韓国のミュージックシーンが良くなってきているという話をたくさん聞きます。聴き手が『本物』と『偽物』の区別がつくようになってきたようです。これからも、もっとそういう人が増えればと思います」

 1993年にグループ「天気予報」でデビューしたカン・ヒョンミンは、リーダーとしてバンドを率いる。カン・ヒョンミンは「ずいぶん前からバンドを組んでみたいと思っていて、ラブホリックでそれが達成された」と語った。

 李ジェハクはアンダーグラウンドシーンで7、8年間にわたって音楽活動をし、「リバプール」というデュオでアルバムを出したこともあり、最近になってようやく安住の地を見つけた。

 チソンは弘益(ホンイク)大前で音楽活動中に、600人が参加したオーディションを見事勝ち抜いてボーカルに選ばれた。

 「モダンロックスタイルの曲をかなり作り、自分たちが追い求める音楽には女性ボーカルが必要だと判断したんです。言葉通りの『モダン』といった感じのロックがやってみたかったんです」

 カン・ヒョンミンと李ジェハクは、朴ヘギョン、TheThe、朴キヨンなどの作曲を手掛けてきた。紫雨林(チャウリム)、ローラーコースターに次ぐ「女性ボーカルロックバンド」となるわけだ。

 1曲目の「イージー・カム・イージー・ゴー」は、完全にローラーコースタースタイルだ。

 しかし、アルバムの13曲中にはデリースパイスや紫雨林のような曲もある。シックスペンス・ノン・ザ・リッチャーやラジオヘッドのような感じもする。だが、結局はこれらの曲は「ラブホリック」流に調理されている。

 タイトルトラックの『ラブホリック』でも、小細工は加えない。『悲しい映画』では、カン・ヒョンミンのギターテクニックよりも想像力が優れていることを立証する。『遊びに来て』でのチソンの歌声は、ドライでいながらも、素晴らしい吸引力を発揮する。

 「私の声にさまざまなイメージがあるそうです。いろいろな曲を消化できるというイメージ…。それが私の声の長所だと思います」。チソンの実力は金ユナ(紫雨林)、チョ・ウォンソン(ローラーコースター)に続く女性ボーカルに匹敵する。

「今回のアルバムではチソンの個性を十分に生かし切ることができませんでした。それがちょっと悔しいですね」。 二人は「2ndアルバムではチソンの声をもっと前面に出した曲をたくさん作りたい」と語った。

 ラブホリックの噂はすでに広まっている。公演を予定している夏頃には、ファンの数もかなり増えているだろう。

 しかし、彼らもテレビ出演をしなければならない。そうしなければ、彼らの名前を広めるのは難しいからだ。どうか彼らがトークショーに出演しないことを願うばかりだ。

韓賢祐(ハン・ヒョンウ)記者
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