「サハラに挑戦した22人のコリアン」

 大自然を克服しようとする人間の姿は、自然の偉大さが与える感動を超越する。

 世界最大規模(面積860万平方キロメートル、東西の長さ5600キロ)の砂漠であり、地球上最も乾燥した地域であるサハラ砂漠という不毛の地の征服を目指す韓国人22人の挑戦記が、5日のSBSテレビ『極限マラソン サハラに挑戦した22人のコリアン』(午後1時)で紹介される。

 地球上で最もハードなマラソンとして知られる「サハラ砂漠マラソン」は、今年で18回目。今月6~12日の一週間、6大陸30カ国から集まった約660人がアフリカ・モロッコ地域のサハラ砂漠で各自が準備した食料などの装備を背負い、243キロを走った。

 高さ5~100メートルの砂丘は、それ自体が人間の精神と体力の限界を試す絶壁だ。参加者は一日に何度も制限時間内に中間目標地点に到着するため、足をとられ、もがきながらも目的地に向けて走り続けた。

 日中の温度差が50度にも達するため、昼間は肌が焼けたり火傷をし、乾燥気候のために鼻血が出るかと思えば、夜には空しか見えない大地で服を何重にも着込み、寒さに震えなければならなかった。12~13キロのリュックサックを背負ったまま、主催側が提供する一日9リットルの「命の水」を頼りに前進を繰り返した。

 韓国人参加者の22人は、21~52歳の会社員を中心に構成され、そのうち19人は、サハラ砂漠同好会(www.runsahara.com)の会員たちだ。

 22人の韓国人は全員完走した。参加者のソン・ジョンテさん(44)は「人間のあさはかな考えはまったく通用しない競技で、1泊2日間で82キロを走らなければならない。大会4、5日目になると、人間の限界を何度も味わった」と語った。

 マラソンの元韓国代表のアン・ギヒョンさん(40)は「2日目から体力の限界を感じたが、精神力だけで堪え抜いた」としながら、「大会で完走して、何とか父親の面目を保ったようだ」と語った。

 演出、助演出、カメラマンの3人で構成された番組の制作スタッフは、大会に挑戦した各国の参加者たちもカメラに収めた。

 この大会に4度目の出場をした73歳で最高齢のフランス人、重さ6キロのサイのマスクを被って走った英国人の動物保護活動家もいた。

 サンウメディアのアン・ジュヨンプロデューサーは「参加者らがどんな考えを持って砂漠に挑んだのかという当初の疑問を解くことはできなかった」としながらも「日増しに体力が消耗しながらも、顔には自由と幸福感が溢れていた人々の姿から、少しだけ答えが得られた」と語った。

朴瑛錫(パク・ヨンソク)記者
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