大邱(テグ)地下鉄放火事件をきっかけに、地上波テレビ局3社が防災番組を相次いで放送している。大型災害が頻発する度に繰り返し指摘されてきた「事故共和国、安全不感症、後の祭り」といった汚名を払拭しようという主旨の公共番組だ。
26日にSBSテレビで放映される『危機脱出守護天使』(午後5時50分)は、「生存ノウハウ提供番組」を標榜している。気難しい安全教育ではなく、「地下火災での脱出の仕方」といった特定の危機状況を想定した脱出シミュレーション実験をする。
京畿(キョンギ)道・南揚州(ナムヤンジュ)市・別内(ビョルネ)面の「中央119救助隊」の訓練場にセットを組んで撮影をし、出演者らが火災の通報、鎮圧、避難過程を直接体験する。アイマスクを着け、暗闇の中での行動方法を指導し、脱出方法を知っている場合とそうでない場合の脱出速度も比較する。
プロデューサーのチョ・ハンソン氏は「軍事訓練、民防衛訓練(民間で行う非軍事的防衛訓練)、予備軍教育の度に聞くような内容ではなく、週末の晩に家族揃って『自分がこんな状態に陥ったらどうするか』と話し合いながら楽しく見られるようにした」と語った。
パイロットプログラム(視聴者の反応次第でレギュラー化を決定する番組)だが、素材が多いため1年間は続けることができ、「災害対策マニュアル」を作るという主旨で制作したと説明する。
今月13日にMBCテレビで放送された『災難克服プロジェクト安全地帯』も、事故体験を通じて対処方法を学ぶサバイバル番組だ。大型公演会場での火災などを想定して実験を行った。
二つの番組と進行スタイルは異なるが、KBS第1テレビの『安全警報 その前に』(月・火曜日、午後10時55分)も、やはり私たちの安全の死角部分を再点検しようという主旨を持つ。
100年間無事故のドイツの地下鉄、工事中でも常に安全なロンドンの建築工事現場など、海外の先進事例を紹介し、子供の安全を脅かす韓国の通学バスやスクールゾーン、3月の解氷期の安全対策などを点検し、安全対策の不備や無関心さを指摘している。
こうした災害対策番組の成否は、教訓(公益性)と楽しさ(視聴率)を同時に確保できるかにかかっている。
特に「楽しさ」を強調するがためにコメディアンや芸能人が出演するケースが多く、「災害を戯画化しているのではないのか」、「人の命を笑いにするのか」といった非難も浴びる。「災害での対処方法」を指導するといったこれらの番組の悩みは「批判からの生き残り」となりそうだ。