24日午後6時から、ソウル市内の世宗(セジョン)文化会館では、異色の講演が開かれる。有名芸術家でない、ある下宿屋の女主人が子供の留学に関心を示す韓国の父兄に、海外留学の実態を語る。
その主人公は最近『オーストラリアの下宿屋のおばさんの留学レポート』を出版した主婦のチョ・ヘオクさん(46)だ。
「早期留学ブームでオーストラリアにやってきた子供たちの食事を作り、洗濯などをしながら感じたことがたくさんありました。去年1年間だけで、海外で学ぶ留学生の数が30万人に達したとか。十分な事前情報や準備をせずに海を渡るのは絶対に反対です。元放送作家の李ソンヒさんと電子メールで連絡を取り合っていた時から本を出そうと心に決めていました」
聖職者の夫と共にシドニーで13年間を過ごし、副業として下宿を営んできたチョさんは、成功談だけを並べる他の本とは違い、失敗談が中心のさまざまなケースを紹介し、留学の「嘘と本当」を辛らつに伝えている。
「子供の話を聞きつつ、正確な情報を集めるのは基本です。名門学校に固執する前に、適性や実力を考慮しなければなりません。韓国よりも個人負担の教育費が少なく済むというのも錯覚です。英語ですか?絶対に自然には上手くなりません。学校の規律もかなり厳格ですね。適応できなければ心を鬼にして帰国させるのが賢い親です」
しかし、せっかくの留学なのだから、韓国とは異なるオーストラリアの文化を受け入れる努力も必要だし、特にスポーツや旅行を楽しむべきとアドバイスするチョさんも、早期留学に対してだけは否定的だった。
チョさんは「最近の子供たちは小学校3年生にもなると『お母さん、僕はいつ外国に行くの?』なんて聞いてくるらしいんです。これはあくまでも私の考えですが、幼少時の『単独留学』は、本当にギャンブルに近い冒険です」と語った。