6年ぶり司会者として復帰する歌手の李文世

 歌手の李文世(イ・ムンセ/44)の携帯電話に電話をかけたら、受話器の向こうから激しい息の音が聞こえてくる。

 「今、道峰(トボン)山を下っているところなんですよ。コンサートやテレビの仕事に忙しくて、健康は時間を削ってでも管理しなくちゃと思って週に一度は一人でも山に登っています」

 李文世は20日にスタートするSBSテレビの『李文世、チョン・ジヨンのサイエンスパーク』(午後7時)で司会者として復帰する。97年に放送された同局の『李文世のライブ』以来、6年ぶりにレギュラー番組の司会を務める。

 「音楽番組でもなく、なぜ科学番組で復帰するのかと言う人が多いです。私はタレント業もやっていますが、息子に見せたいと思うような番組があまりないじゃないですか」。

 李文世は息子のジョンウォン君(中1)を「彼」と呼んだ。「放送前には彼と司会を引き受けるかどうかの話し合いもしました。まやかしや偽りではなく、科学の常識を伝える番組なので、一度は必ず見てほしいと頼みました」

 「…サイエンスパーク」は科学と芸能を融合させた新しいスタイルの番組だ。初回の放送ではジェットコースターやフリーフォールの縮小模型を動員して動力なしで回転、落下が可能な科学的原理を説明し、日本のノナカさん(77)が出演してゴムの動力で20分間ゆっくりと飛ぶ模型の飛行機を披露する。

 『好奇心天国』のナム・ヒョンソクプロデューサーが演出し、公開番組形式の「ライブ科学ショー」だ。

 李文世は16日の収録の際にパフェを簡単に作る方法を披露したが、失敗してしまった。「初収録だったんで緊張しすぎました。来週の収録の時には必ず成功させて、皆さんに『科学の喜び』を伝えたいと思います」

 李文世は「音楽だけをやっていると緊張が緩みがちなので、この番組で集中力を高めたい」と語った。だが、李文世が今までに得た地位に安穏と胡座をかいていたことがあっただろうか。

 11年間(85~96年)ラジオのパーソナリティを務めて「星空の番人」という愛称を付けられ、昨年発表したアルバム『赤い下着』は14枚目のアルバムだ。

 最近では毎週土・日曜日に全国各地でコンサートを行っており、先週は昌原(チャンウォン)、来週は水原(スウォン)といった具合に多忙だ。李文世は「こんな不景気にも客席を満たしてくれるファンにいつも感謝している」と語った。

朴瑛錫(パク・ヨンソク)記者
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