すべての病気には苦痛とリハビリへの意志がある。
奇病・難病を患った患者とその家族に密着し、感動と病気についての有用な情報を同時に伝えるKBS 第1テレビの『映像記録 病院24時』(金曜深夜0時)が、肺がん末期の20代女性患者の闘病への強い意志をカメラに収めた『お母さんは泣かない』を18日に放送する。
国立がんセンターを訪れた制作陣は、肺がん病棟で一番若く、最も明るい笑顔をした末期肺がん患者のナ・ウンギョンさん(26)に出会った。
今までにたばこを吸ったことも、病院の世話になったこともなかったナさんは、一昨年に初めての娘、ハウンちゃんを出産した時に腺がんである事実を知った。
腺がんは女性やたばこを吸わない人が主に発病し、転移が早いがんだ。ナさんは肺、骨、頭にまでがん細胞が転移したが、余命2ヵ月と宣告されてから1年8カ月が経ち、生への強い意志を見せている。
使える抗がん剤はすべて使い、抗がん剤治療で髪の毛を失ったナさんだが、「お母さん大丈夫?」と常に気遣う娘と、誠心誠意を尽くして看病してくれる夫のピョ・ジュソンさん(29)の顔を見るたびに再び力を得る。
JRNプロダクションのユ・ヘスンプロデューサーは「多くの患者を見てきたが、ナさんのように意志が強く、表情の明るい人はいなかったし、夫婦の愛は、難病で苦しむ多くの人々の大きな希望となるだろう」と語った。
『映像記録…』は1998年5月の放送開始以来、今までに229回の放送を終えた。何人かの出演患者たちは、自分が紹介されてから、人生が180度変わった。
昨年、小児まひの男性と小人症の女性が暮らす姿が紹介された直後、視聴者らはインターネット上に自発的にコミュニティを立ち上げたという。
彼らは物質的な援助のみならず、夫婦が暮らす家庭を訪問し、子供を風呂に入れたりするなどのボランティア活動をしている。
修学能力試験(日本のセンター試験)を受けた後、両親を助けようと焼肉屋でアルバイトをしている時に全身火傷を負った青年にも援助の手が差し伸べられている。
ユプロデューサーは「まだまだ韓国にも心優しい人々が多くいることを実感し、そうした人情を垣間見るたびに最もやりがいを感じる」と語った。
この番組はプロデューサー6人と作家が、全国の病院の社会福祉士、医師、奇病・難病患者やその家族の集まりなどと密に接触して出演交渉をしている。
患者やその家族らは「社会にこの病気を知らせなければならない」という義務感から快く出演に応じるケースが多いという。