『レオン2』にはレオンがいない?
ジャン・レノ主演のヒット作『レオン』とまったく無関係の映画の配給元が、この映画の韓国公開タイトルを『レオン』の続編であるかのようにつけ、観客を混乱させている。
問題の映画は11日公開のフランス映画『WASABI』。
原題は日本のわさびを意味するが、映画会社は国内タイトルを『わさび レオン・パート(parte)2』 に変更した。
しかもポスターや看板には「わさび」や「parte」といった文字は非常に小さく処理され、一見『レオン2』と錯覚してしまう。
ポスターのキャッチコピーも「レオンが再び帰って来る!」で、誰が見ても95年に大ヒットを記録した映画『レオン』の続編のように見える。
だが『わさび レオン・パート2』は、『レオン』とはまったく無関係の刑事映画だ。『レオン』のクライマックスで死んだ主人公のレオンが、この映画で復活するわけでもない。
『レオン』の監督、リュック・ベッソンが制作し、『レオン』と同じくジャン・レノが主演したという点や、『レオン』のマチルダ(ナタリー・ポートマン)のように幼い少女(広末涼子)が登場する点が『レオン』を連想させる程度だ。
映画会社は観客が『レオン』の続編だと勘違いすることを狙ってこのタイトルをつけたようだ。
『わさび…』の偽装タイトルに対し、違法ではないかとの声が高まっている。
広告ポスターや看板に対して規制する「表示・広告の公正化に関する法律」は、第3条で「消費者を騙したり、消費者を混乱させる恐れのある表示・広告行為として、公正な取引秩序を阻害する憂慮がある行為」を禁止している。このため『わさび…』の広告はこの法に抵触する可能性が高い。
しかし、この映画のマーケティングを主導する投資会社「アドムービー」の金ジョンヒョプ代表は、「『WASABI』というタイトル自体を変えたのではなく、広報戦略上『レオン・パート2』というサブタイトルを追加して強調しただけ」としながら、「映画『レオン』と内容的に類似する点が多いため、『レオン』というタイトルがまったく無関係とはいえない」と主張した。
金代表は「実際に当初はフランスの制作会社もこの映画を『レオンシリーズ』と紹介しており、100万ドルで版権を購入したが、実際の映画の内容が続編ではなかったので抗議し、結局は70万ドルで版権を買い取るというトラブルがあった」と説明した。
映像物等級委員会は、当初、映画会社側が『レオン・パート2 わさび』と、原題をサブタイトルのようにつけて審議に申し込んだが、通過できなかったために、『わさび レオン・パート2』と単語を入れ替えて再び申請し、通過したという。