「オホホホホー」
豪快な「おばさん笑い」が演劇の舞台に響く。ソウル教育文化会館で20日まで行われる演劇『うまくやってみましょう』(アン・ジョンヒ作、崔蓉勳(チェ・ヨンフン)演出)にタレントの全元珠(チョン・ウォンジュ/62)さんが出演している。やはり厚かましいお喋りな「おばさん」役だ。
労使問題を扱った教訓的なこの演劇で全さんは、リストラを控えた会社の清掃員として登場する。力強くモップをかけながら発せられるコミカルな台詞で、労動者福祉問題や雇用問題などを風刺する。
「声優としてデビューして、タレントをしながら女優業も始めましたが、若かった頃は演劇にもたくさん出ていたんですよ。年を取ったので楽劇にはたびたび出演していましたが、今回みたいにちゃんとした演劇の舞台に立つのは20年ぶりです。労使問題を演劇で描くという意図が気に入って出演のオファーも快諾しましたが、舞台がものすごく大きく見えます。台詞一つ一つの意味が深く、その度に緊張します」
この演劇は国家経営戦略研究院が1億5000万ウォンの制作費で制作するという、独自の方式で完成された。作家は制作者らと共に大企業の常務室から工場、労動者たちのストライキの現場に至るまで、3カ月間にわたってインタビューをして作品を完成させた。
研究院の理事長を務める姜慶植(カン・ギョンシク)前経済副首相も、練習の際には頻繁に訪れて直接作品について意見したりした。
「韓国経済にとって労使の和解がどれほど重要なのか、労使がそれぞれどんな悩みを持っているのか、この演劇ですべてを学びました」
全さんは「今回、若い演劇人と一緒に演じながら本当に多くのことを学んだ」としながら、「彼らの演技に対する純粋な情熱を見ていると感動します。私には本当に世間慣れしまったんだと感じる」と語った。
「私は若かった頃、自分の器が分からなくて主人公だけを追って時間をだいぶ無駄にした」と笑った。「でも、遅ればせながら私だけの演技世界を作り出せたお陰で、この年齢になっても意味ある役を演じられるんだと思います。今は本当に満足しています。年を取って疲れたといって休んだりすると、癖になってさびが生じてしまうんです。だから私はこの年になっても絶対に休むことはありません」。
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