この番組の試写会場に現れたEBS広報チームの金ヒョン次長は「映像がとても残酷で、試写会はやめようと言ったのだが…」と話した。一方の李ヨンギュプロデューサーは「モザイクなしで放送して懲戒処分を受けたほうがましだ」と語調を強めた。
10、11の両日、午後10時40分からEBSテレビで放送されるドキュメンタリー『CITES 種の黙示録』は、残忍非道な人間の密猟と動物虐待を追跡したルポだ。CITESとは「絶滅の危機に瀕した野生動植物の国際取引に関する協約」である。
1年のうちの300日が「出張」という自然ドキュメンタリー専門の李ヨンギュプロデューサーが、今度は草むらの中に置いたカメラを野生動物市場に向けた。
李プロデューサーがカメラに収めたインドネシアの首都ジャカルタのプラムカ市場では、オランウータン、メガネザル、ゴクラクチョウ、ツキノワグマなど、思いつくほぼすべての野生動物が密売されていた。
通常の取引では3000万ウォン以上はするオランウータン1匹が、50万ウォンで売られているこの市場で、ナマケモノやマレーグマは、むしろ珍しくない部類に属する。韓国では生存すること自体が関心事のトラでさえ、たったの200万ウォンで取引されている。
制作陣は密猟で生計を立てている一家に密着し、サルとゴクラクチョウの密猟現場をカメラに収めた。
耳に石が当たって血をャす子猿は、それでもまだましな方。サルをペットとして売るために、ペンチで歯を抜く場面に続き、白昼、露店で猿の頭を割って料理し、暴れる子熊の胸を切り裂いて肝臓を取り出す場面では、自然と奥歯を噛むだろう。
密売商はこう話す。「韓国人が熊の肝臓が好きだから、韓国料理店に卸している」。
絶滅の危機にある野生動物の密猟と密売を動かすものは、結局はカネだった。CITESが何かも知らないインドネシア奥地の原住民たちは、塩と砂糖を買うためにゴクラクチョウを捕まえ、ジャカルタ市内の裕福層は、富みを自慢するかのようにオランウータンを飼っていた。
制作陣はインドネシア野生動物救助団(KSBK)と共に、ある裕福層の家庭で飼われているオランウータン一匹を救出し、ジャングルに帰すことに成功した。この家には全世界に30匹しかいないという「バリムクドリ」もいた。
KSBKの団長は「本当に貴重な動物たちを見たければ、ジャカルタの政治家の家にでも行って見なさい」と話す。
第2編は、清渓川(チョンゲチョン)動物市場をはじめとした韓国の野生動物市場の問題点と、スイスにあるCITES事務局でのインタビューが紹介される。
学術、展示用以外のすべての輸入鳥類、哺乳類は違法と規定されている法案の問題点も指摘する。現行法で清渓川で取引されるサルやイグアナといった動物は、すべて密輸されたものであり、違法だ。
李プロデューサーは特に、地上波テレビ局3社の動物番組のプロデューサーと視聴者に視聴を勧めた。
「動物で遊ぶような番組が多いですが、その動物たちがどう捕まって、どう取引されているのかを知るべきです」