『オー!ハッピーデー』でスクリーンデビューするチャン・ナラ

「えっ、これって“ただ”ですか?うれしい!」

 インタビュー室に備え付けられた無料の自動販売機のコーヒーを渡すとチャン・ナラ(22)は満面の笑みを浮かべ大喜びした。これが大学卒業前の女性だと誰が信じるだろうか。

 小さい丸顔にくりくりとした丸い目をパチパチとさせる姿が少女漫画の主人公のようだ。チャン・ナラがスクリーンデビュー作の『オー!ハッピーデー』(19日公開)で映画ファンに初めてその姿を披露する。

 「元気なキャラクターが私には似合うようです。なにしろ童顔なので。父(演劇俳優のチュ・ホソン氏)も『まだデビューして間もないから、元気で楽しい姿をたくさん見せよう』と言ってくれましたし…。なので映画出演も一番愉快で楽しい作品を選びました」

 『オー!ハッピーデー』はまさにチャン・ナラの、チャン・ナラによる、チャン・ナラのための映画だ。チャン・ナラはこの映画で多国籍企業のチーム長(朴チョンチョル)に付きまとう、顔は可愛いが執念深い声優のコン・ヒジを見事に演じ、期待以上の個人芸を披露した。

 焼酎のコップを片手に一気する姿を披露し、「オッホッホッホッホー」と魔女のように笑ったと思えば、「ウフフフフフー」と不気味な笑いまで、声の演技も完璧だ。餃子のCMを撮影するシーンでは、ほとんど声を「もてあそぶ」程だった。

 「ヒジみたいに勇気はありませんが、短気という点は似ています。私ってすごくせっかちなんです。映画出演は初めてだったので、ドラマに比べて進度がとても遅いのには中々慣れませんでした」

 『オー!ハッピーデー』を観れば、チャン・ナラが「どうすれば綺麗に見えるか」ということよりも「どうすれば面白く見えるか」に重点を置いているのが良く分かる。キムチを漬けるたらいに落ちて白菜をちぎる場面もチャン・ナラが提案した。

 尻を突き出して痔の手術を受ける場面は、女優がここまでやるかと思ってしまう程だ。しかしチャン・ナラは「こんなに楽しく演じたことはない」としながら、「私って実は人を楽しませるよりも、自分一人で楽しむタイプなんです」と語った。

 考えてみればチャン・ナラが「スター」になったのは、つい最近のことだ。しかし、スターになるための準備を始めたのは、13歳の時からだった。

 SMエンターテインメントで一緒にレッスンを受けた5歳の年下のBoAが先にデビューし、「14歳の歌手」として大ヒットを飛ばしていた時も、チャン・ナラは日々ダンスの練習に励み、ただひたすらデビューの時を待たなければならなかった。


 「デビュー前には所属事務所が潰れたり、アルバム制作がお流れになったりしてトラブルも多かったです。その度にただ「今だけ我慢すれば何とかなる、頑張らなきゃ」って思ったんです。幸い、悪いことはいつまでも気にしないタイプなので大丈夫でした」

 2001年にその可愛らしい笑顔を武器に歌手デビューした時には、チャン・ナラもデビューしては消える単なるアイドル歌手に見えた。しかし、デビューアルバムの『First Story』でチャン・ナラは、年末に行われる各種音楽賞の新人賞を総なめにした。

 シチュエーション・コメディーにもデビューして爆発的な人気を集め、昨年放送されたドラマ『明朗少女の成功記』では忠清(チュンチョン)道方言ブームを巻き起こした。そして、映画界の激しい「キャスティング合戦」の中心にいる女優の一人となった。

 「隣の花は赤いって言うじゃないですか。歌を歌っている時はドラマに出たくて、ドラマに出ている時は映画にも出たくなって…。昔のことを考えれば私が少し遅れてデビューして本当に運が良かったと思います。とても幼く見えるのは昔も嫌いでしたが、実際に二十歳を過ぎてからは、むしろありがたく思えます」

 子供っぽい見た目とは裏腹に、結婚願望は高いという。子供も3~4人はほしいと言う。「家庭を持つことに憧れているようです。私は食べることも好きですが、料理を作ることも好きなんです。この前、家でさつまいものケーキを作ったんですが、とても美味しかったんですよ!」

 「元気」そのもののチャン・ナラの話を聞いていると、独特の語り口が周囲の人々を幸せにさせるパワーを持っているように感じた。この元気一杯のチャン・ナラを主人公にした『オー!ハッピーデー』が、愉快なハッピーエンドで終わるコメディーであることは、ある意味当然のことかも知れない。

李自妍(イ・ジャヨン)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース