「NANTA」が9月にブロードウェー進出

 ノンバーバルフォーマンス「NANTA」のブロードウェー進出が、当初の予定だった来年の春から今年の9月に繰り上げられた。

 また、来月初めから2週間、中国の北京と上海で1000~1500席規模の大劇場での公演が計画されている。100%のギャランティーを手にする海外公演だ。

 国内の公演業界に「打楽パフォーマンスブーム」の流れを作った「NANTA」は、今や韓国の公演芸術が狙う最大市場の中国と米国を一度に手中に収める吸引力を持っている。

「NANTA」の制作会社「PMC」の宋承桓(ソン・スンファン)代表(46)は「9月はブロードウェーのシーズンが始まる月なのでラッキー」と静かに語り始めた。

「2001年に全米55都市を11カ月間かけて巡回公演する予定でしたが、ニューヨークで起こった9.11テロのために中止になった経緯があります。ブロードウェー公演が予定よりも繰り上げられて嬉しいですが、緊張もしています。また、中国市場に対する期待は大きいです。今回行われる2週間の公演をテスト期間と考え、反応が良ければ上海に専用館を作って長期公演をするつもりです」

 中国の公演企画会社が「NANTA」に興味を示すようになったのは、ソウルの「NANTA専用劇場」で公演を観た中国人観光客の声が大きく影響した。観光客が帰国後に「NANTA」を口コミで広め、現地のメディアにも紹介された。

 宋代表は「打楽パフォーマンスは数多くありますが、『NANTA』はその中でも元祖と認められているようです」と語った。

「シェフが登場するといった設定がうけ、『四物(サムル)ノリ(韓国古来から伝わる4種の楽器で演奏すること)』のリズムが外国人には独特に感じるようです」

 しかし、「NANTA」が海外進出をリードしているのは、何よりも公演業界に不足していた「事業感覚」を宋代表が重視したためだ。

 98年にニューヨークの「ブロードウェーアジア」と海外配給契約後に「ショー・ドクター(show doctor)」を雇用して公演内容を海外公演用に再編成し、英国のエディンバラ・フェスティバルに国内の団体としては初めて参加、ヨーロッパに「NANTA」を広めるきっかけを作った。

 今年は宋代表にとって「NANTA」跳躍の第2の年となりそうだ。

 外国人観光客が殺到する江北(カンブク)のNANTA専用館は、現在の300席から500席に規模を拡大し、7月1日から再び公演をスタートさせる。このため江南(カンナム)にあるもう一つのNANTA専用館は、一般のミュージカル劇場に看板を変える。

「世界の公演市場は非常に大きいです。『NANTA』を観覧した国内の観客数は、まだ100万人にも達していません。

『NANTA』を観てほしい人がまだまだたくさんいます」

李圭鉉(イ・ギュヒョン)記者
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