1992年4月、MBCテレビの『特種!テレビ芸能』の新人歌手コーナーに男性3人のダンスグループが初めて出演した時、3人の審査委員の反応は「いまいち」だった。
作詞家の梁仁子(ヤン・インジャ)、作曲家のハ・グァンフン、歌手の全永禄(チョン・ヨンロク)は、彼らの歌を多角的に分析して評価したが、好評とは言えなかった。
当時出演したそのグループは「ソテジワアイドゥル」で、披露した曲は『僕は知っている』だった。
4月1日午後7時からKBS第2テレビで放送される『テレビオーディション 挑戦60秒』(演出:クォン・ヨンテ)は、「第2のソテジ」を夢見る未来のスターが出演し、50人の審査委員が評価する番組だ。
歌手やコメディアン志望のみならず、ダンス、演技、声真似、一芸など、才能を表現できる幅を広げ、視聴者をはじめ審査委員も大幅に増員した。出演者は60秒内に自分の才能をすべてアピールしなければならない。
タップダンスを学ぶ男子学生2人組のクォン・オファンさんと金ジンヒョクさん、コメディアン志望の金ジファンさん、声真似のチャン・ギインさん、イム・ユンテクさんなど、計20組が収録に参加した。
クォン・金さんコンビはプロにも劣らないタップダンスの実力で客席をあっと言わせ、金ジファンさんは空のペットボトルや大型の水タンクを口で吸い込んで押しつぶす「怪力」を披Iした。
イム・ユンテクさんヘ声優そっくりの声真似を披露し、客席から拍手喝さいを浴びた。20組全員が20代の若者たちだった。
膨大な応募者の中から『宝石』を探し出す審査委員には、各界の専門家10人が含まれている。
KBSの金雄来(キム・ウルレ)プロデューサー、タレントの尹文植(ユン・ムンシク)、声優の梁芝雲(ヤン・ジウン)、グループ「ソバンチャ(消防車)」の元メンバーで芸能プロダクション社長の金テヒョン、振付師のホン・ヨンジュ各氏らが審査を務めた。
20人の現役芸能マネージャーと20人の視聴者も客席から審査に参加した。出演者は審査委50人のうちの30人以上の支持を得なければならない。司会はコメディアンの南希奭(ナム・ヒソク)と李ヒョクジェ。
こうした新人オーディション番組は1980年代にも存在した。80年代初めに放送されたKBS第2テレビの『新人誕生』は、演歌歌手 雪雲道(ソル・ウンド)のデビュー舞台になった。
しかし、毎回視聴者をあっと言わせるような新人の発掘が難しく、すべてのこうした新人発掘番組が短命に終わった。
今回の『テレビオーディション…』も研究開発的な意味合いのパイロット番組だ。視聴者の反応を見ながら、今後の改編時にレギュラー化するかを決定する。
演出のクォン・ヨンテプロデューサーは「今回は1位に200万ウォン、2位に100万ウォンの賞金を与えただけだが、レギュラー化が決定した場合には受賞者にデビューの機会も保障することを検討している」と語った。