「男性は中年になるにつれ、女性ホルモンの分泌が増加し、感性的でデリケートになります。女性が年を重ねながら男性のように逞しくなることと似た現象ですね」
「韓国男性の30~40%は自分が早漏であると思い込んでいるという調査結果が報告されています。実際にはそうではないのに、強迫観念のためそう感じているようです。女性の多くが自分は太っていると思っているのと同じです」
先週末に幕を上げたチョン・ヘシン氏のモノドラマ『男たち』(ソン・ジンチェク演出、30日まで、トンスンアートセンター・トンスンホール)の舞台上での率直な話が、中年世代の間で話題だ。精神科医のチョン氏が演劇形式で中年男性の仕事、セックス、人生を、真正面から描いたユニークの公演だ。
舞台は静かな田園住宅の居間。家の外には屋根ほどにもなる高さの竹が生い茂っている。チョン氏はこの居間を行ったり来たりしながら、まるで患者と相談をしているかのように話す。
劇中、直接ピアノを弾いて沈守峰(シム・スボン)の『愛しか私は分からない』といった曲を歌ったりもする。時には俳優、またある時には医者となるわけだ。
この演劇は特に、中年男性たちの「性」に対する強迫観念を赤裸々に描いている。「死んだ後、死装束を着せる人に無視されるわけにはいかない」と陰茎拡大手術を希望する70代の男性の話を通じて、見た目にこだわる男性たちの性的趣向に対する診断もする。
しかし劇場が最も温かくなる瞬間は、男性たちが家庭を守る「大黒柱」として持つプレッシャーを描く時だ。男性客の妻はその瞬間、こんな夫をどうすれば理解できるかという考えるようになる。
「診療室でよく聞く話なのですが、男性は自分の親や兄弟を妻に理解させる時が最も辛いようです。自分の親兄弟との情緒的な絆を妻に理解してもらいたいですが、それが上手くいかないと実にがっかりするものなのです」
チョン氏は「中年の感性は人生の祝福」という言葉で、中年男性たちを慰めて公演を締め括る。「男性が感性的になれば、辛くなる可能性があります。しかし、その時期が過ぎれば、精神的にだいぶ成長します。中年を襲う感性の混乱は、ある日突然、目の前に落ちた100億ウォンの遺産のようなものです」。
夫婦連れの観客が多く、3万5000~5万ウォンのチケットが、夫婦揃っての来場時には30%引きになる。
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