1980年生まれの映画俳優、李ウンジュ。
23歳とは思えない節制さと落ち着いた面持ちは時にはぎこちなさを感じさせる。それのためか、時たま浮かべるその微笑みは、神秘的なものさえ感じさせる。
李ウンジュがスクリーン上で観客を魅了する。愛を与えたくなり、日々の生活に感謝したくなる、そんな心を伝えてくれる。
来月4日に封切りとなる映画『空の庭園』(監督:李ドンヒョン/製作:トゥソン・ドリームピクチャース)。死の宣告を受けた女性患者と医者によるラブストーリーだ。実にありふれた素材選びといえる。しかし、李ウンジュの話を聞くと、「一度は見るべき映画」という思いにさせられる。
「新派のように『絶対泣かない』というのとは違うわ。悲しいけど、深い愛なんです。死ぬことよりも愛する人をこの世に残して先に逝くのが悲しいんです」。
李ウンジュはスキルス性の末期胃がんを患っているメイクアップアーチスト・金ヨンジュに扮する。相手の医者・チェ・オソンはアン・ジェウクが演じる。幼い頃の苦い思い出と、一人になることが耐えられず、愛を避けようとするオソンに愛の意味を悟らせる。
そう言えば、1999年に『ソンオ(マスの意)』でデビューして以来、6本の映画に出演した李ウンジュは、映画の中での死を3回も経験した。李ビョンホンと意気投合した『バンジージャンプをする』、チャ・テヒョンが相手役を務めた『恋愛小説』など、いつも悲しいが、美しい愛を描き出した。李ウンジュの演技と映画の中のイメージが、強い余韻として残るようになるのは、多分このような理由のためかも知れない。
『空の庭園』の撮影を通じ、「笑い話をさせたらナンバーワン」のアン・ジェウクのため、少なからず苦戦した。キスシーンを撮る日は、朝から機嫌の悪そうな表情で「気安く話しかけないで」と言わんばかりだった。到底、アン・ジェウクの「冗談攻撃」に耐えられる自信がなかったためだ。
「そうですね、どんな時にも愛は必要です。異性との愛は与えるものですね。愛を受ける時は拒みません。演技においてもこれからは自信を持ってみたいです」。
李ウンジュは、「映画『花樣年華』で、梁朝偉と不倫の恋に落ちる張曼玉のような演技をやってみたい」と語った。