ロングランの演劇としてすっかりお馴染みとなった『白雪姫を愛した小人』(劇団「ユ」、朴スンゴル演出、6月30日まで、ユ・シアター)は、7人の小人の一人「パンダル(半月)」が、白雪姫に片思いする話だ。
この純粋な小人の演技が演劇を左右する。背が小さくて、踊りの上手い、悲しい眼差しを持った役者だけが演じることのできる数少ない役だ。
初代パンダルを演じたチェ・インギョンは、この役でスターダムにのし上がった。しかし、この役を引き継ぐのにふさわしい役者はそう簡単には現れなかった。
その後、昨年の夏に韓電アーツプールセンターで上演されたミュージカル『ノートルダムの鐘』にスリの少年役で出演していたクォン・ヒョクミ(22)の姿が、演出の朴スンゴルの目に留まった。
こうしてクォン・ヒョクミは二代目「パンダル」に抜擢された。今月14日からスタートしたアンコール公演から、チェ・インギョンに代わって出演している。
クォン・ヒョクミを見た客席のあちこちから「あの子、男?女?」という声が漏れる。身長154センチ、体重44キロのため、何歳なのかも分からない。
クォン・ヒョクミは「男なのか女なのか、という声を本当にたくさん聞いた」と無邪気に笑った。
「子供の頃は見た目に対するコンプレックスひどかったんですが、年を取るごとにまったくなくなりました。実は私はチェEインギョンさんのファンクラブの会員なんです。2年前に初めてこの演劇を観てファンになってファンクラブに入った私が、まさかパンダルを演じるとは思いませんでした」
演劇の中でパンダルは、白雪姫に思いを伝えることができないまま死んでしまうが、白雪姫は後で魔法の鏡を通じてパンダルが自分を一番愛していたということを知る。
クォン・ヒョクミは「自分は感情を表に出せず、そのまま我慢してしまう性格なので、パンダルに似ているようです」と語る。見た目や性格などのコンプレックスが、パンダル役には最高の長所になったわけだ。
クォン・ヒョクミは東国(トングク)大英文学科の1年生を終え、現在休学中だ。
「ダンスが好きで、インターネットのダンスサークルに入ってダンスを学びました。その後、ダンスパフォーマンス『Show Taekwon』に抜擢されてデビューしたんです」
クォン・ヒョクミは「人よりも一歩遅れてミュージカルデビューを決心したので、周りには『そんな小さな体でミュージカルなんかできるのか』と心配する声が多かったです…」と話しながら、少年のような笑顔を浮かべた。問い合わせ(02)3444-0652。