一つの心で結ばれた1万のろうそくが静かに灯った。
寒さの中、静かな熱気に包まれた大邱(テグ)地下鉄放火事件の犠牲者を追悼したチャリティコンサート。一般の公演のようにアーチストに熱狂的な声援を送る姿は見られなかったが、大邱地下鉄放火事件の犠牲者を追悼する悲しい熱気はいつもにも増して熱かった。最後にg.o.dが登場した時の歓声は、犠牲者を称える1万人のメッセージだった。
g.o.d、プファル(復活)、朴チニョン、ピ、シン・ヒョンウォン、チュ・ヒョンミ、雪雲道(ソル・ウンド)、イン・スニ、ピョル、安致環(アン・チファン)などのトップアーチストが参加した「大邱地下鉄参事追慕音楽会」が、1万人の大邱市民が見守る中、10日午後7時から大邱慶北(キョンブク)大大運動場で開かれた。
「私たちの歌が力になれたら」というサブタイトルのこのチャリティコンサートは、10組の出演アーチストが自ら無料出演を名乗り出ただけではなく、音響、照明、特殊効果などのスタッフも約4億ウォンの公演費用を全額負担するボランティア形式で行われ、大邱市民を感動させた。
朴チニョンとともにこの日のコンサートを提案したシン・ヒョンウォンは「各ジャンルを代表するアーチストが忙しいスケジュールの中、遺族と悲しさを分かち合おうと進んで舞台に立った」とあいさつをした後、『もっと良い日』の音楽と共に幕を上げた。
公演の中盤に差し掛かった時、朴チニョンが『送って泣きます』という自身の詩を朗読した瞬間、遺族をはじめ客席のあちこちからすすり泣く声が漏れた。
公演の終盤、プファルの『ネバーエンディングストーリー』に続きg.o.dが『母へ』、『ろうそくの灯りひとつ』を歌った時に1万人が共に涙する姿は、この日の公演のハイライトだった。追悼の雰囲気の中、若い観客たちは抑えていた悲しみを一気に吐き出した。
公演は出演アーチスト全員による『常緑樹』の合唱で終わったが、大運動場を埋め尽くした1万人の大邱市民たちは、ろうそくを手にしたまま、しばらくその場を立ち去ろうとはしなかった。
コンサートに訪れた20代の女性は「公演に犠牲者の遺族が多く訪れていた」とし、「これほど感動的な公演は初めて見た」と涙目に語った。
公演後、朴チニョンも「初めは誤解されないかと心配したが、大邱市民が公演の趣旨をよく理解してくださって、とても感謝している」と語った。大邱北部警察では1個中隊をコンサートに派遣した。
一方、公演に先立ち、この日の午後、朴チニョン、ピョル、ピ、イン・スニ、シン・ヒョンウォンなどが、地下鉄放火事件の現場となった中央路(チュンアンロ)駅と大邱市民会館の合同焼香所を訪れ、線香をあげた。