ミュージカル『サタデー・ナイト・フィーバー』主演の朴コンヒョン

 ここ数年の間に多くのミュージカル公演が行われたが、公演界は悩みに陥っている。これといった「新人」がいないというのだ。

 国内初登場の英国ミュージカル『サタデー・ナイト・フィーバー』(尹石花(ユン・ソクファ)演出、4月5日~5月10日、リトルエンジェルス芸術会館)は新人を主役に抜擢した。昨年下半期に小劇場用創作ミュージカル『愛は雨に乗って』で金ジャンソプの弟役で出演した朴コンヒョン(26)だ。

 『愛は雨に乗って』を通じて中高校生の追っかけファンもできた「隠れたスター」だが、大作の主人公を演じるのは今回が初めて。この作品でベテランのチェ・ジョンウォン(34)の恋人役で共演する。

 チュ・ウォンソンと共にダブルキャスティングされたが、6対4の割合でチュ・ウォンソンよりも多く舞台に上がる予定だ。『サタデー・ナイト・フィーバー』は98年に英国で初演されて以降、米国、イタリア、ドイツなどで公演されている人気ミュージカルだ。

 「映画俳優のジョン・トラボルタは、このミュージカルの原作映画『サタデー・ナイト・フィーバー』でトニーを演じて一気に世界のスターになりましたよね。私にもそんな夢があります。この公演でトニーは、一場面以外は2時間40分最後まで舞台に登場します。これほど長時間演じる主人公を見たことがありますか?私に大きなチャンスが与えられたのですv

 稽古場で会った朴コンヒョンヘ非常に興奮した表情だった。インタビューの間終始、少しでも間が空けば体をじっとせずにダンスの演習をした。

 英国の制作会社から来た振付師のレオン・アルダートンの側から一時も離れなかった。そして183センチ、76キロのスマートな体格にも関わらず「ダイエットのために夕飯は半分だけ食べる」と語った。「チュ・ウォンソンさんのように踊るには、もうちょっと身が軽くなければなりません」

 朴コンヒョンは素直で純粋な劇中のトニーに似ている。トニーはペンキ屋でアルバイトをし、土曜の晩となればディスコへ行って踊る普通の二十歳の青年だ。この作品は若い頃には誰もが経験する恋愛の悩み、先の見えない未来に対する不安を華やかなディスコに載せて舞台に描く。

 オーディションには、ダンスの上手いミュージカル俳優は全員集まった。製作スタッフは1、2次を通過した俳優を対象に、1カ月間ワークショップを実施した後、その中から最終的にキャスティングを行った。

 演出を担当した尹石花(ユン・ソクファ)氏は「朴コンヒョンはぶっきらぼうに見えるが、恋したい男の魅力を持っている。演技力やダンスの実力は新人だとは思えないほど優れている」と話した。

 ジョン・トラボルタのようなトニーを演じるため、朴コンヒョンは最近2つの事に没頭しているという。

 「“ダンス”と“恋愛”に夢中になってます。ナイトクラブに姿を見せれば、そこら中の女性はみんな一目惚れしてしまうほど、ダンスが上手くなければならないんです。また、優しく、ロマンチックに恋することも必要です。だから、最近はカフェなどで露骨な愛情表現をするカップルを見ても、しかめ面をせず、よく観察するんですよ。いい勉強になりますからね」。

 『土曜の夜の熱気』は70年代の文化コードで織り成す代表的なミュージカル。人気グループ「ビージーズ」の『How deep is your love』など、数多くのヒット曲が作品全体に使われている。

問い合わせ: (02)501-7888

李ギュヒョン記者
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