歌手の李貞賢「お茶の間にきれいなお月様が上りますよ」

 「タラダラ(月よ月よ)、どうか私を助けて」

 李貞賢(イ・ジョンヒョン/23)の新曲『タラダラ』はソウル市内の街角の至る所で流れている。それほど人気が高いという証拠だ。

 ところが李貞賢の姿はあまり見かけない。音楽番組はもちろん、バラエティ番組にもまったく姿を見せない。いったい彼女はどこにいるのだろうか。

 中国北京テレビのドラマ『美麗心霊』(全20回)の撮影のために韓国と中国を慌ただしく行き来する李貞賢が「アーチスト」として帰って来る。

 2日、最後の撮影を終えて帰国した李貞賢は6日、KBS第2テレビの『ミュージックバンク』を皮切りに放送活動を再開する。李貞賢は腰まである大きな筆を宙で振り回し、「今すぐにでも舞台に立ちたい」と語った。

 『タラダラ』を歌う舞台で、李貞賢はハンサムと呼ばれる韓服の手を隠す白い布の長袖を広げ、鳳山(ポンサン)仮面舞を舞い、大きな筆で宙に字を書く。服にはノリゲ(組み紐)を付け、顔には頬紅も塗った。

 すべてが韓国的な雰囲気を取り入れるための李貞賢のアイディアだ。李貞賢は「作曲家に『タラダラ』に大金と伽椰琴(カヤグム)の曲調も入れてほしいと頼んだ」と語った。

 「やっと一息しました。1月から2~3週間ずつ中国で撮影をして、韓国で一週間ほど歌手活動をするといった感じだったんですよ。ドラマのために新曲はまともに歌うことができませんでした」

 『美麗心霊』でトップアーチスト役を演じた李貞賢は、出演1回ごとに1500万ウォン、計3億ウォンの出演料を得た。まさにVIP待遇だ。北京テレビ側は2~3週間ずつ中国に滞在する李貞賢のためにマンションを提供した。

 原作では主人公が舞踊家として成功するが、李貞賢のためにトップアーチストにシナリオまで変更した。中国で『ワ』、『変えろ』などの曲で「韓流(韓国ブーム)」のトップに立った李貞賢を高く評価したからだ。

 「スケジュールが押して、突然一日20時間ずつ撮影したんです。私の役はもどかしいくらに優しくて、一日中泣きます。姉にボーイフレンドを奪われて泣いて、不治の病にかかって泣いて…。すっかり涙が乾いてしまいました」

 ドラマ『美麗心霊』は6月頃に中国、台湾、香港、ベトナム、シンガポールの5カ国で同時放映される。出演者たちの出身地域も香港、中国などさまざまだ。そのため出演者たちは母国語で演技をし、その後の作業で吹き替えをした。

 李貞賢はすべての台詞を韓国語で覚えたという。李貞賢は「お互いに言葉が通じませんでしたが、感情移入は難しくありませんでした」と語った。

 アーチストと女優の二足の草鞋を履く李貞賢に、本業はどちらかと尋ねてみた。

「私は歌を歌うことが好きです。完全に入り込めるじゃないですか。取り付かれたように歌って踊っていると、すべてのことから開放された気持ちになります。

その位夢中になれる映画があれば、いつでも出演したいです」

朴玟宣(パク・ミンソン)記者
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