53歳で「晩学大学生」に変身した漫画家の金水正氏

 『赤ちゃん恐竜ドゥーリー』の生みの親が漫画学科の大学生になった。仁徳(インドク)大学漫画・アニメーション学科の新入生として出席簿に名前を列ねた今年53歳の「晩学大学生」、漫画家の金水正(キム・スジョン)氏だ。

 4日午後、初日の授業に出席するために大学に向かった金氏は「実は、この年で大学に行くのが恥ずかしくて、誰にも話さずにこの1年間、密かに調べた」としながら、「やはり大学側が成績よりも経歴に良い点数をくださったようだ」と照れた。

 自分の子供と同年代の学生たちと一緒に机を並べることになった金氏は、2000~01年に韓国漫画家協会長を歴任した韓国を代表する漫画家だ。

 『赤ちゃん恐竜ドゥーリー』はもちろん、『オダルジャの春』などの作品で世代を超えた人気を得て、最近ではアニメーション、キャラクター、ファッション事業にまで進出した事業家でもある。

 金氏は「私はアナログ世代だからデジタルの方には疎かった」としながら、「自分の手でキャラクターデザインを手がけながら、デジタルを扱うことができなくてもどかしかったので、この機会にしっかりと学んでみたい」と語った。

 慶尚(キョンサン)南道・晋州(チンジュ)が故郷で、慶尚大畜産学科に通っていた金氏は「漫画家になる」と上京し、大学とは縁遠くなった。今、約35年ぶりに自分が本業にしてきたことを学問として学ぶ「幸福」を味わうことになった。

 後輩の漫画家でこの学科で講義を行っている李珍珠(イ・ジンジュ)教授(『走れハニー』の作者)は「私よりも有名な漫画家に何を教えれば良いか分からない」と言いながらも「昨日の入学式の時も他の学生とまったく同じように列に並び、1泊2日間行われた新入生オリエンテーションにもすべて参加するなど、誰よりも熱心」と語った。

 金氏は今年、『赤ちゃん恐竜ドゥーリー』の誕生20周年を迎え、全26回のテレビアニメを企画している。最近は今回のプロジェクトのシナリオも直接手がけ、昼夜を問わない不規則な生活を続けている。

 金氏は「来年からは本格的にデジタル作業を始めなければならないが、大学で学んだことを生かせるのではないか」と笑った。

 金氏は「今学期は何単位とったのか」という質問に「21単位だから毎日5時間ずつ授業に出なければならない」としながら、「今日も午後6時から教養科目のトーフルの授業に出席する」と言って席を立った。

魚秀雄(オ・スウン)記者
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