トップモデル金ナムジンの「華麗なる春」

 一人の男が狭い道を通り過ぎて行く。女はカメラ付き携帯電話を取り出し、彼の写真を撮る。女がこう言う「まずは写真。愛するのはその次よ…」

 携帯電話のCMのワンシーン。男性モデルは女性モデルの側を通り過ぎながら無邪気な視線を投げ掛ける。97年に衣料ブランド「STORM」の専属モデルとして華々しくデビューを飾った金ナムジン(28)だ。

 その金ナムジンが、来月スタートするSBSテレビのドラマ『千年之愛』の主人公にキャスティングされた時、周囲からは「金ナムジンが誰か」という声が飛び交った。

 ドラマで金ナムジンは成宥利(ソン・ユリ)のパートナーとして新羅の王子役を演じる。今までにサンタフェ、ミリオーレ、サーティワン・アイスクリームなどのCMに出演して顔を広めたが、金ナムジンの演技歴は非常に短い。

 金ナムジンは先月、MBCテレビのドラマ『100.4MHz』にラジオのパーソナリティ役でドラマデビューした。

 「人生には三度の大きなチャンスが訪れるそうです。私にとっての最初の機会は「STORM」のCM出演で、二番目は99年に多くのCMに出演したことです。最初は所属事務所の問題で、二番目は軍入隊のためにチャンスを上手くものにできませんでした。今回出演するドラマの『千年之愛』と映画『春の日の熊が好きですか?』にキャスティングされたのが三度目のチャンスになりそうです」

天安(チョナン)大学の音楽学科に通っている金ナムジンは、2001年8月に兵役を終えて復学した。CM界で名前が売れてから、何本もの映画出演のオファーも舞い込んだが、金ナムジンは兵役を優先させた。

 金ナムジンは「ブランクが開いてしまったので上手く演技できるか心配だった」としながら、「運良く素晴らしい作品に出会えたようだ」と笑った。

 しかし、今のチャンスは全て「運」によるものではないようだ。演技力を証明する時間は十分ではなかったが、すでに金ナムジンは過去2本の映画に出演して「可能性」を表していた。

 初出演映画の『恋愛小説』では貸し本屋のアルバイト役で何シーンかに登場したが、映画『春の日の熊が好きですか』ではペ・ドゥナをパートナーに主演を演じるまでに成長した。

 『春の日の…』のヨン・イ監督は、金ナムジンに1冊の詩集を渡して読んでみろと言ったという。ゆっくりと詩集を読む金ナムジンを見て監督は「いい感じだ」と言って、そのままキャスティングした。

 まさに可能性のみを信じた一か八かの勝負だった。金ナムジンは「初出演映画の『恋愛小説』の観客動員数が100万人を突破したので、今回も自信がある」と冗談を飛す余裕を見せた。

 金ナムジンは最近、SBSテレビのドラマ『千年之愛』の撮影で多忙な日々を送っている。午前中には乗馬場で馬に乗り、午後からはアクションスクールで武術を5時間学ぶ。

 地道に演技の指導も受けている。15日に行われた初回のロケで、金ナムジンは百済宮に密かに潜入し、そこで百済の姫(成宥利)と偶然に会う。その瞬間、二人の男女は壮絶な格闘を繰り広げる。あちこちが擦り傷やあざだらけだが、撮影テンポにそんなことも忘れてしまうという。

「モデルはステージの上ではどんな姿にでも変身するじゃないですか。

同じように、どの役にもぴったりとはまる演技者になりたいです」

朴ミンソン記者
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