大統領就任式で愛国家を歌ったポッペラ歌手のイム・ヒョンジュ君

 「ずいぶんと大きくなったね」

 25日、ソウル市の国会議事堂で行われた、廬武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の第16代大統領就任式をテレビで見守った市民たちは『愛国歌(韓国国歌)』を歌う少年に釘付けになった。

 少年の口から流れる愛国歌は、通常の記念式場で耳にする声楽家たちの重厚な歌声ではなかった。羽毛のように軽く、清く澄んだ美しい発声、変声期前の中性的な音色が魅力的だった。

 その主人公はイム・ヒョンジュ君(17)。1996年、新龍山(シンヨンサン)小学校6年生の時に『私は信じます』、『アルゼンチンよ泣かないで』などが収録されたアルバムを「サムスンナイセス」レーベルから発表して話題を集めた少年歌手だ。

 イム君は芸園(イェウォン)学校を卒業後に渡米し、ニューヨークのラクルランド高校に通っている。

 昨年、ジュリアード音楽院の予備学校の入学試験に合格したが、アルバムレコーディングのためにしばらく休学している。ジュリアード音楽院の予備学校は、小中高校生が毎週土曜日に音楽実技を学ぶ学校だ。

 「全国民が見守る新大統領の就任式会場で愛国歌を歌うことになってとても嬉しいです。愛国歌を練習しながら愛国歌がこんなに素晴らしい歌なのかと、今更ながら実感しました」

 イム・ヒョンジュ君の将来の夢は、世界的な「ポッペラ(Popera)歌手」になることだ。

 ポッペラとはポップ(Pop)とオペラ(Opera)の合成語で、大衆音楽をクラシックの唱法で歌うことだ。

 ミュージカル歌手のサラ・ブライトマンや視覚障害を持った歌手のアンドレア・ボチェッリの曲がこれにあたる。

 イム君は「メトロポリタンオペラ劇場のメゾソプラノ、ウェンディ・ホフマンから歌を学んでいる」としながら、「ジュリアード予備学校の入学もウェンディ・ホフマンが推薦してくれた」と語った。

 イム君は最近、『Salley Garden』というタイトルのアルバムをシンナラレコードから発売した。

 カッチーニの『アヴェ・マリア』、ミュージカルナンバーの『トゥナイト』などが収録されている。イム君は「7月にニューヨークで初コンサートを開き、米国でニューアルバムも出す予定」と語った。

金龍雲(キム・ヨンウン)記者
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