映画『北京バイオリン』の陳凱歌監督が訪韓

 「エンディングは必ず悲劇的ではなければならないという、私自身の強迫観念を捨てさせてくれた映画だ。むしろハッピーエンドがより大きな感動を与えることができるということを悟った」

 映画『北京バイオリン』の韓国公開を控えて訪韓した中国の陳凱歌監督(50)は「世知辛い中国の現実で、暖かい家族愛を描こうと思った」と語った。

 『北京バイオリン』は、天才バイオリニストの息子と貧しい父親の話を描いた映画。息子の出世のために田舍から北京に上京した父子は、あらゆる試練を乗り越えて幸福の意味を発見する。

 『さらば、わが愛~覇王別姫』(1993)、『人生は琴の弦のように』(1991)などを通じて中国史に焦点を合わせた陳監督は、『北京バイオリン』で歴史という荷を降ろして、家族の日常を細密に描き出した。

 初のハリウッド進出作品『キリング・ミー・ソフトリー』が失敗に終わり、スランプに陥った陳監督は、『北京バイオリン』の中国での成功で復活を宣言した。

 この作品でバイオリンを世俗的な成功の道具と考える教授役を自ら演じた陳監督は「新しい映画を作る度に多くの記者やカメラの前に立つのが私の職業だから、演技もそれほど難しくなかった」と語った。

 金ヒョング撮影監督、李ガンサン照明監督、ハ・ヨンス衣裳監督などが参加した『北京バイオリン』は、韓国的な画面を見せてくれる。陳監督は「金ヒョング撮影監督は、世界でも指折りの芸術家」と絶賛を惜しまなかった。

 『北京バイオリン』には、息子が金喜善(キム・ヒソン)の写真を宝物にし、密かに取り出して見る場面が登場する。これについて陳監督は「美容整形外科に行って『金喜善のようにしてほしい』という若者が後を絶たないほど、金喜善は中国の10代の憧れの的」としながら、「決して叶うことのない息子の初恋の相手として登場させた」と説明した。

 陳監督は「今まさに高度成長を経験しながら病を患っている中国では、経済的な関心が高まっている」としながら、「『富か、幸福か』という分かれ道で幸福を追い求める父親と息子の情緒は、世界の舞台でも通じるだろう」と語った。

朴敦圭(パク・トンギュ)記者
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