映画『無間道』ピーアールのため訪韓した香港俳優アンディ・ラウ

 袖のない黒のTシャツ、襟を立てたジージャン、破れたジーパンにサングラス、そしてオートバイ。

 10年前に“ハードボイルド”のイメージで若者たちを熱狂させた香港の映画俳優、アンディ・ラウ(42)が、新作映画『無間道(Infernal Affairs)』(アンドリュー・ラウ監督)の封切りを控え、11日に訪韓した。

 『愛と復讐の挽歌』(1987)、『ゴッド・ギャンブラー』(1989)、『アンディ・ラウの逃避行』(1990)などで国内でもお馴染みのアンディ・ラウは、チョウ・ ユンファ、レスリー・チャンと共に80年代後半の香港映画全盛期をリードした人気俳優だ。82年のスクリーンデビュー以来、過去21年間に出演した作品だけも100本を超える。

 「21年は人に喩えれば“大人”じゃないですか。今後は自分の演技をもっと成熟させなければならないし、一度やった演技は繰り返したくありません。『無間道』は今までに一度も演じたことのない役だったので出演を決めました」

 アンディ・ラウは「20歳には20歳、40歳には40歳に相応しいものがそれぞれある」としながら、「時間が流れた分、役にも変化がなければならない」と語った。

 40代にも関わらず、はっきりした目鼻立ちは相変らず印象的だが、頬のやつれた顔は以前に比べ痩せた印象を受ける。『無間道』でアンディ・ラウは、組職の一員として警察内でスパイ活動をする刑事役を演じた。

 アンディ・ラウは「あえてハリウッドに進出するつもりはない」と語った。

 「香港で共に活動してきた、ジャキー・チェン、チョウ・ ユンファ、ジェット・リーなどは、現在ハリウッドでも活動しているが、そこで新しい演技をするのではなく本来のスタイルを踏襲しているんですよ。あえてアメリカにまで行って、まったく同じ演技をする必要はないと思います」

 映画制作者としても活動中のアンディ・ラウは最近、韓中日のクロスオーバーコンサートの企画に参加し、韓石圭(ハン・ソッキュ)に自身がプロデュースする映画に出演するようオファーするなど、韓国に高い関心を寄せてきた。『友へ チング』、『8月のクリスマス』といった映画に深い印象を持ったためだ。

 「映画市場が落ち込んでいる香港に比べ、韓国は映画のレベルも高く、制作環境も整っています。機会さえあれば韓国映画にも出演したいです。『猟奇的な彼女』みたいな映画だったら、なお更ですね」

 10年前にはジージャンを脱ぎ捨てるだけで女性ファンを虜にしたアンディ・ラウも、今では“ハードボイルド”から脱皮していっそう淡泊になった印象を受けた。

 最後まで真剣な表情で質問に答えてくれたアンディ・ラウは、インタビューが終わると子供のように階段の手すりに乗って滑り降りて行った。

李自妍(イ・ジャヨン)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c)Chosunonline.com>
関連ニュース