日本で活躍中のユン・ソナ「韓日の掛け橋になりたい」

 韓国では「まさか」と思うかも知れないが、最近の日本では「尹孫河(ユン・ソナ)を知らなければ“モグリ”だ」と言われる。

 先月19日にスタートして以来、30%以上の最高視聴率を誇るTBSの日曜ドラマ『GOOD LUCK!!』で尹孫河は、ベールに包まれた女性“朴美淑”役で登場する。

 日本のトップスターで今回主役を演じる木村拓哉のマンションの隣の部屋に住んでいて、ショッキングな台詞と行動で主人公を驚かす謎の韓国人留学生役だ。

 毎週1シーン程度しか登場しないが、反応は上々だ。『GOOD LUCK!!』のホームページには「尹孫河はどんな役を演じるのか」、「木村拓哉とはどうなるのか」といった質問も多く寄せられている。

 「まあその程度だろ」と思ったら大間違いだ。日本テレビで日曜日に放送中の『S.O.S』、金曜午後7時からのゴールデンタイムに放送中の『グルグルナインティナイン』、テレビ朝日で土曜午前9時55分から放送中の『サタデー総合研究所』、土曜午後8時から放送中の『TVのチカラ』、NHK『ハングル講座』。これらのすべては日本の地上波テレビ局で放送されている看板番組だ。

 尹孫河は“助演”としてではなく、“司会者”または“主演”として出演している。日本に滞在中の韓国人たちは「週末の晩ともなれば必ず尹孫河がブラウン管に登場する」と口を揃える。

 2000年に日本デビューし、今までに出演したドラマが5本。人気バラエティー番組には10本以上出演した。もちろんゲスト出演した数は除いて。

 「成功したんですね」という記者に、「韓国には素晴らしいタレントの方々が多くいます。私をきっかけに、さらに日本デビューするタレントの方々が増えてくれればと思います」という返事が返ってきた。

 尹孫河は韓国の芸能人の間で「日本市場における最後の目標」といわれるCM出演を果たした。昨年の日清食品「日清ラ王」に続き、今月22日からはシャンプーのCMモデルとしてブラウン管に登場する。

 本人はどう考えているかは分からないが、尹孫河はこうした活動のお陰で、昨年行われたサッカー・ワールドカップ韓日大会の共同開催を前後して、日本で韓日交流の「架け橋」役を果たしたと評価されている。

 「そんな言葉には本当に励まされる。でも私の一言が韓国全体に対するイメージに、いい意味でも悪い意味でも影響を与えると思うとちょっと心配」と語る。

 「冗談でちょっとでも汚い言葉(「馬鹿みたい」という台詞)を使っても、『韓国の女性はそんな言葉遣いをするのか』と言われたこともあります。台本にあった台詞だったんですけどね…」

 本人が出演する公共放送NHKの『ハングル講座』の影響からか、日本人は尹孫河に“韓国語の伝道師”のイメージも持っている。『イージーハングル~ユンソナ流超カンタン韓国語会話~』という韓国語会話本も出版した。

 「堅苦しい敬語を使って日本の教授が教えるより、普通の日常会話を肩の力を抜いて教えるのもいいと思って、出版社の要請に応じた」という。

 流暢な日本語が日本での幅広い活動と成功の源だ。これまでの“美人タレント”たちと違って、尹孫河はトーク番組で司会できるほど日本語ができる。もちろん「完璧」だったり、「専門家レベル」とは言いがたい。だが「関西弁はちょっと聞きづらい」という程度のレベルに到達している。

 「台詞を覚え、現場でおしゃべりしながら必要な言葉を一つずつ覚えていった」という。進出当初は全く日本語ができなかった。「睡眠時間3時間で台詞を覚えていたら白髪が生えたくらい」だったという。“話せる”おかげで、日本メディアは韓日の大衆文化交流に関する記事を扱う際、尹孫河を取材することが多い。今の成功はこうした努力の賜物だ。

 「今すぐには韓国に戻れない。韓国でドラマ1本でも出演すると、日本でのスケジュールを全てキャンセルしなければならないから」と語りながらも、尹孫河の心はいまだに韓国にあるようだ。

 「戻りたくないわけではないです。いつ戻るかが最大の問題で、悩んでいます。時々韓国に帰国すると、『あれ尹孫河でしょ。最近テレビで見ないけど何してるの』とか言われると、辛いものがある」と、この日唯一、表情を曇らせた。尹孫河は東京・渋谷で一人暮らしを続けている。

 だが「日本で声をかけてくれる人がたくさんいるし…、いい作品に恵まれることも貴重な機会でしょう?」と語る尹孫河に、これからも「架け橋」役として日本で活躍する姿が想像できた。

東京=権大烈(クォン・デヨル)特派員

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