『同い年の家庭教師』は、2003年版『猟奇的な彼女』だ。
両作共にインターネット小説を原作にし、エピソードを羅列したスタイルだからではない。トレンドをリードする若い映画であるという点と、最高のキャスティングが光を放っているという点でだ。そして『同い年の家庭教師』も、観客からの絶大な支持を得るだろう。
大学2年生のスワン(金ハヌル)は金持ちの息子で高校生のジフン(クォン・サンウ)の家庭教師を務めることになる。しかし、問題児のジフンは「先生」であるスワンと同い年で、教え子らしからず態度を取る。そうしてトラブルを繰り返えすうちに二人は恋に落ちていく。
『同い年の家庭教師』はとても賢い大衆映画だ。まず、タイトルからして映画の核心を正確に要約しており、その設定力で映画を最後まで興味深くリードしていく。
高校生を主人公にしたが、未成年ではなく21歳に設定したことで観客の拒否感を軽減させ、学校の教師ではなく家庭教師をその相手役にして関係をひっくり返すことによって程よいバランスを与えた。
金ギョンヒョン監督がデビュー作で見せた実力は相当なレベルだ。コメディを主軸にラブストーリーも織り交ぜるが、ちょっとしたシーンもセンチメンタルになれば、ユーモアに反転させてスマートにその場面を仕上げた。
パワフルな人物造形術を助演にも用いて、それほど多くの場面に登場しないながらも強力な印象を与えている。
パロディとスラップスティック・コメディを織り交ぜながらも、適度なリズムを維持して本線から脱線しないように作られている。
何よりもこの映画は、キャラクターからアクションまで、始終登場する「誇張」を「スタイル」に変えてしまう強みを持っている。
何だかんだと恋愛から始まって集団乱闘シーンで終わらせるストーリー展開は、青春コメディのそらぞらしい定番そのままだが、台詞や些細な行動一つにまで、細部にわたって意図されたテンポのよい演出のために、それほど古臭さが感じられない。
高校生が主人公という点を考えると、部分的には多少度が外れたような感じも否めないが、笑いのツボを正確に突き、卒なく放たれる台詞のウィットは最近の映画の中では最高レベルだ。
スクリーンで常に初々しいが毒気のない人物を演じてきた金ハヌルが、元気で可愛らしいキャラクターで青春映画が持つ本来の魅力を活かした。
忠武路(チュンムロ/韓国映画の中心地)デビュー作の『火山高』で期待を一身に受けたクォン・サンウは、初の主演映画で配役ぴったりの演技で「発見の喜び」と「確認の快感」を同時に感じさせた。
主人公の父親と母親役で出演した白日燮(ペク・イルソプ)と金ジャオクの好演は、素晴らしい演技はブラウン管やスクリーンを問わず、どこでも通じることを証明した。