昨年、日本列島は一人のサラリーマンに沸きかえった。彼は地方大学の出身で、大企業の入社試験にも落ちて京都のある企業の主任として勤務していた。
しかし、彼はわき目も振らず信念を貫いて働いてきた。その結果、世界の頂点に立った。
2002年のノーベル化学賞受賞者の田中耕一氏(43)。田中氏は一見普通だが、とても特別な人物だ。受賞者が発表された瞬間、日本では「いったい“田中”が誰なのか」と混乱し、田中氏が勤務する「島津製作所」の同僚たちは同姓同名の人だろうと思っていた。
作業着姿で記者会見場に現われた田中氏はノーベル財団からの電話に対し「ノーベル賞と似たような名前の賞だろうと思った」と話し笑いを誘った。
KBS第1テレビの『日曜スペシャル』は26日午後8時から、凡人のノーベル賞時代を切り開いた田中耕一氏のヒューマンストーリーを放送する。この番組は、日本のNHKで制作されたドキュメンタリーだ。
ノーベル賞の受賞後田中氏は「人々に顔を知られて、地下鉄に乗ることもできなくて苦労している」、「物凄い反応にどう応じればいいか分からない」と話した。「島津製作所」は田中氏に理事待遇を申し入れたが、今後も研究を続けたいとこれを断った。
こうした田中氏の平凡な履歴や行動に日本の人々は「ジャパニーズドリーム」を見た。一人のサラリーマンの職人精神は、日本の人々を感動させた。
田中氏は日本人としては12人目のノーベル賞受賞者だ。日本列島では田中氏のノーベル賞受賞で「第2の田中氏を育てよう」という雰囲気が高まっている。