ホン・ヨンラク教授「テレビドラマの漫画化が深刻」

 「ドラマは人間の喜怒哀楽をそのまま伝えなければなりませんが…。視聴率のためにドラマがますます“漫画”のようになってしまいました。最近のドラマはもっと酷いでしょう。今度こそは視聴率の心配をせず、自由にドラマを作ってみました」

 ドラマプロデューサー出身の現役教授が「ドラマらしいドラマを作る」とEBSテレビの旧正月特別ドラマ『二人の父さん』(31日午後1時)の演出に挑んだ。

 20日に制作陣とのミーティングを終え、江原(カンウォン)道・揚口(ヤング)から上京した東亜(トンア)放送大放送劇作学科のホン・ヨンラク(43)教授。ホン教授は1991年から9年間、SBSテレビのドラマプロデューサーとして『解氷』『安重根(アン・ジュングン)』などを手掛けたが、葛藤が多かったという。

 ホン教授は「現実には到底あり得ない人物だけが登場する最近のドラマは、本来の目的を完全に放棄しているようだ」と語った。自らもそうした状況から自由ではなかったという反省から再び制作現場に戻った。

 『二人の父さん』は血のつながった父親と育ての父親の間で揺れる女子高生の話だ。心臓病を患った幼い娘の手術費を作るために罪を犯して刑務所に入った父親と、その父親を捕まえた後に彼に代わって娘を育てた育ての父親。16歳になった娘の前に本当の父親が現われる。ホン教授は今回のドラマで現実にあり得る父親の愛を正面から描いてみたかったと語った。

 「大学でもかなりの学生たちがひとり親の家庭で育っていますね。教授と学生間の考え方の違いも相当なものです。大学の教壇で私が学んだものをドラマの中に活かしたいです」

 『二人の父さん』にはプロデューサー時代に知り合った林湖(イム・ホ)、姜邰起(カン・テギ)など、多くの演技者たちが無償出演した。ひなびた地方都市の雰囲気を出そうと昨年12月17日から5泊6日間、束草(ソクチョ)などの東海(トンヘ)沿いで撮影を行った。店の主人役で1シーンだけ出演した金ミョンヒは、ホン教授がドラマを作るという話を聞き、東海まで駆けつけた。

 「社会構造的に苦痛を強いられている人々の話をドラマでもっと多く扱わなければなりません。

今回のドラマもそうした人々のための小さな試みだと思っています」

朴ミンソン記者
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