郭在容監督「『猟奇的な彼女』の延長線上の純愛映画作る」

 2001年に『猟奇的な彼女』で488万人の全国観客動員数を記録した郭在容(クァク・チェヨン)監督(44)が、約1年ぶりに恋愛映画『クラシック』を完成させてカムバックした。

 ソン・エジン、チョ・スンウ、チョ・インソン主演の『クラシック』は、70年代の母親の初恋と2000年代の娘の恋が交差するラブストーリー。『猟奇…』がラブコメディーであったなら、『クラシック』は叙情的な雰囲気が漂う正統派ラブストーリーだ。まるで監督デビュー作『雨降る日の水彩画』(1990)当時の趣向に戻ったかのようだ。

 24日に『クラシック』の公開を控えている郭在容監督に会った。『猟奇…』がスティーブン・スピルバーグの映画『A.I.』の公開日と重なった監督は「今回もまたスピルバーグと重なった」と口を開いた。今回も『クラシック』がスピルバーグの新作映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の公開と重なったからだ。

―『猟奇…』と同様に、制服を着た女子高生が主人公だが、雰囲気はまったく違う。どちらが監督の趣向なのか?

 「若い頃はアドベンチャーやアクション映画が好きだった。しかし、才能面ではラブストーリー的な感性が他人よりも優れていると思う。『クラシック』は5年前にシナリオを書いたが、一番撮りたかった作品だ。今でもシナリオを見ると胸がときめく」

―映画の中で黄順元(ファン・スンウォン)の小説『夕立ち(ソナギ)』のエピソードが再び登場するが。

 「完成してあらためて観てみると『猟奇…』と重なる素材が多かった。『クラシック』はある意味『猟奇…』で描くことができなかった部分を表現した映画だ。少年時代に『夕立ち』を読んで1週間眠れなかったが、そのくらい当時の余韻が大きかったようだ」

―こうした古典的なラブストーリーが若い観客にも受け入れられるだろうか?

 「中学生の私の娘も『猟奇…』は楽しんだが、今回はラブストーリーを撮るというので、最初は特に関心を示さなかった。ところが、あらすじと制作課程のエピソードを聞き、予告編を見たら関心を持つようになった。『クラシック』は母と娘が揃って感情移入できる作品だと確信している」

 西大田(ソテジョン)からはじまって木浦(モクポ)、鎮海(チンへ)、安東(アンドン)など全国約10カ所で撮影し、フィリピンロケまで行った『クラシック』は、恋愛映画としてはスケールの大きな映画だ。

 郭監督はこの作品を「二世代を結び付ける大河ドラマ」と表現した。10カ所以上もロケ地を移動し、3ヵ月で映画を完成させるのは、並大抵の強行軍ではなかっただろう。

 「一体どうやって撮影したのか」とたずねると、「死んでも今日の撮影分は撮り終えるというつもりでやっている」とし、「私が2本撮影する間にスピルバーグは3本撮ったでしょう」と続けた。

 『猟奇…』で夕張国際ファンタスティック映画祭のヤング・ファンタスティック・グランプリを授賞するなど海外にその名を売った郭監督は、最近ロサンゼルスにある映画作家のエージェントと契約を結び、ハリウッド進出も予定している。監督は「進出作はやはり専門のラブストーリーかロマンティック・コメディになりそう」と語った。

李自妍(イ・ジャヨン)記者
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