演技・歌謡大賞は内輪の分け合い?

 テレビ局 3社が毎年末、盛大に開催する演技大賞と歌謡大賞が、あまりにも賞を乱発しており、受賞基準も曖昧だという非難を浴びている。一部からは「賞を乱発する授賞式を無くし、全く新しい授賞式を作らなければならない」という声が挙がっている。

 SBSは先月31日に放送した『2002演技大賞』で、自局のドラマに出演した演技者のほとんどに賞を与えた。シチュエーション・コメディー、特別企画、連続ドラマ、スペシャルドラマの男女部門に分けて賞が授与され、受賞者の数は39人に達した。

 これまで男女1人ずつに与えられた新人賞は「ニュースター賞」に名前を変え、計10人が受賞した。これにSBSi賞、10代スター賞、助演賞まで合計すれば、昨年のSBSドラマに出演した主演はもちろん、助演レベルの演技者も含めて誰もが一つ以上は賞を受賞したことになる。

 これは30日に行われた『MBC演技大賞』も同様で、最優秀賞、優秀賞、新人賞の受賞者を連続ドラマ、ミニシリーズの男女部門に分けて選出した。

 『KBS演技大賞』は最優秀演技賞、優秀演技賞の男女部門すべてで共同受賞者を選んだ。ペ・ヨンジュン、金相中(キム・サンジュン)、チェ・ジウ、チェ・ミョンギルが最優秀演技賞を、朴ヨンハ、チョ・ミンギ、李ヘスク、李テランが優秀演技賞を受賞した。

 これを見た視聴者からは、各局ホームページの掲示板に「これほど多くの人に賞を与えては、演技大賞が何の意味を持つのかわからない」といった非難が殺到している。

 こうした事態を受け、テレビ局の製作陣も問題意識を感じている。「演技力の評価」より「芸能界の権力」の顔色をうかがわざるを得ない、というのが制作サイドの“嘆き”だ。スターをスムーズに起用するには、自局ドラマの出演者に一定の補償を与えなければならないとの“計算”が働き、このような授賞に至るということだ。芸能プロダクションの力がますます強まっている現状をそのまま反映している。

 SBSドラマ制作局の李鐘漢(イ・ジョンハン)部長は「自局ドラマの出演者を対象にした授賞式なので、会社の利益を考えざるを得ない。米国のエミー賞のように、テレビ局3社が演技大賞を共同主催し、透明な審査基準を公開するのもひとつの手」と語る。

 歌謡大賞については、不透明な審査基準と10代に人気のある歌手一色の進行が指摘された。昨年10月にニューアルバムを出したチャン・ナラがKBSとMBCで「大賞」を受賞した反面、アルバムセールス1位のダンスグループ「Cool」がノミネートにとどまり、同2位の「JTL」は無冠に終わった。

 KBS関係者は「アルバムセールスより番組への貢献度、PDの独自評価、アンケートなどに比重が置かれている」と説明した。

 しかし、音楽評論家のイム・ジンモ氏は「地上波放送局が年末に歌謡大賞の授賞式を開催するのは、世界中で韓国以外にない。視聴者が納得できる授賞式にするには、テレビ局が手を引くべき」と述べた。

チェ・スンヒョン記者
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