薜景求「親しみのある俳優に生まれ変われて嬉しい」

 2002年の1年間で最も深い印象を残した韓国人俳優は、断然、薜景求(ソル・ギョング)だ。

 薜景求は今年初め、『公共の敵』(康祐碩(カン・ウソク)監督)のコミカル演技で『ペパーミント・キャンディ』の固定されたイメージから脱皮し、前科者を演じた『オアシス』(李滄東(イ・チャンドン)監督)は、ベネチア国際映画祭の監督賞作品に輝き、『光復節特赦』(金想辰(キム・サンジン)監督)は、年末の映画街で大ヒットを記録している。

 今年の韓国映画界で話題の“作品”や“商品”には必ず薜景求がいた。青龍(チョンリョン)賞、大鐘(テジョン)賞、映画評論家協会賞などの各種映画賞の主演男優賞8つを総なめにしたこのラッキーな俳優は、年末に何をしているのだろうか?

 喜びを謳歌するといった余裕は彼にはなかった。薜景求は26日、ボラメ公園内の体育館でトレーニングのために一日中汗を流していた。

 「新年から出演する康祐碩監督の『実尾島』に備えているんです。繩跳びやランニングをして体を作っています」。薜景求は今年一年で体重を89キロ(『公共の敵』)から68キロ(『オアシス』)に落とし、“体を張った演技”とは何かを見せてくれた。

 薜景求は「今年は何よりも、大衆に親しまれる俳優になれて本当によかった」と語った。「私は演技派俳優になることよりも、多くの方々が観て、泣いて、笑ってくれる大衆性も重要だと思っています。なので、昨年までは完全に『ペパーミント・キャンディ』の薜景求というイメージが強かったのですが、『公共の敵』への出演が私の固い殻を破ってくれました」

 今までにさまざまな人物を演じたが、薜景求は概して“アウトサイダー”の役が多かった。何か不満があるのかと問うと「韓国人の中で自分が世の中の中心だと思っている人がどれだけいますか」という言葉を答えに代えた。

 薜景求は「初めて映画に出演した時は、堂々とリラックスして臨めたが、このごろは新しい作品を演じる度に緊張する」としながら、「そんなプレッシャーに打ち勝って、リラックスした薜景求になることが新年の課題ですね」と語った。

金明煥(キム・ミョンファン)記者
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