韓国とベトナムの修交が22日で10周年を迎える。積極的な開放政策で戦争の傷跡を克服、躍進するベトナムを小説『白い戦争』の作家、アン・ジョンヒョ氏が紹介する『日曜スペシャル-変革の地ベトナム 統一列車に乗る』が、15日午後8時からKBS第1テレビで放送される。
アン氏は1966年、ベトナムに派遣された「白馬部隊」の一員として1年半にわたり参戦した後、従軍記者としても活動した経験を活かし、ベトナム戦争を素材にした小説『白い戦争』を出版した中堅作家。
アン氏は「南部がベトナムの現在なら、中部は過去、北部は未来だった」と取材後に感想を述べた。経済都市と呼ばれる南部のホーチミンでは、市民がベトナムの国民所得の3倍を超える平均1200ドルの高所得を得ている。そのけん引役は外国資本。徹底した現地化で勝負を賭けた韓国企業は、ベトナム人の羨望の的だ。
北部にある首都ハノイは、ベトナムの未来像を見せてくれた。498人の国会議員のうち、非党員が51人にまで増えた。女性議員も27%を占め、社会主義の政治体制に根本的な変化が起こっていた。しかし、バーディン広場のホーチミン像前の3キロに及ぶ参拝客の列は、ベトナムのまた違った面でもあった。
アン氏は92歳になったベトナム戦争の英雄、ボーグエン・ザップ氏にインタビューしたことを今回最大の収獲として挙げた。1954年にベトナムの再占領を企てるフランス軍をディエンビエンフーの戦いで撃退し、世界を驚かせた同氏は、病床にありながら現役の将軍職を維持している。
ボーグエン・ザップ氏は「過去、私たちにとって自由と独立以上に重要なことはなかったが、これからは変化と発展が必要な時期」と語った。
アン氏は「10年前、映画『河岸戦争』の撮影のためベトナムを訪れた際は、ベトナムの人々にむやみに言葉を掛けられなかったが、今ははっきりとした資本主義的社会に変わった」としながら、「それでも国の中心は、まだホーチミン思想だった」と語った。