「不法滞在外国人労働者の夢と涙をロックの旋律に…」

 「不法滞在している外国人労動者たちの悲しみと喜び、そして夢を、甘いロックサウンドで聴かせたいです」 。

 8日、ソウル市・麻浦(マポ)区・上水(サンス)洞・弘益(ホンイク)大学前の狭い古びた地下スタジオ。ミャンマー人労動者たちで構成されたロックバンド「ユレカ(Eureka)」のメンバー7人が、15日にサムジースペースで開かれるアルバムリリース記念公演を控え、猛練習の真っ最中だった。

 「涙を拭いで。あきらめないで私たちの願う夢が叶うように、失ったものは振り向かないで、その夢をずっと追いかけて…」(『夢の道』)。ソトン(30)さんなどボーカル3人の低いが力強い歌声がスタジオに響き渡る。

 彼らは6~8年前に来韓した外国人労動者たちで、金浦(キンポ)、抱川(ポチョン)地域などの染色、家具工場で働くミャンマー人労動者の集まりを通じて出会った。

 故国でのバンド経験を活かして98年にバンドを結成し、その後、外国人労動者祭などで公演を行ってきた。昨年にはアルバムの企画者の朴キョンジュ(女性/34)さんの目に留まり、正式アルバムの制作作業に入った。

 1年間に及ぶアルバム制作の過程は苦労の連続だった。仕事場がそれぞれ異なり、休みの日曜日に1度だけの練習が精一杯で、アルバムをリリースする資金も不足していた。

 リーダーのサナイ(30/ベース)さんは、「今年7、8月の取り締まり期間には、メンバーと会うこともできず、アルバム制作の話が没になるところだった」と語った。

 韓国語と英語を織りコた8曲の作詞は、同じ境遇にある中国、ネパール、ナイジェリア出身の労動者たちが手掛けた。多くの曲を直接作曲したが、一部の曲は韓国やドイツ人作曲家のサポートを受けた。

 アルバムは2000枚が発売され、チケットはサムジースペースのホームページ(www.ssamnet.com)で販売する。

李セミン記者
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