援助交際を素材にした日本映画が6日、国内で公開される。原田眞人監督の『バウンスkoGALS』だ。白いルーズソックスを履き、短いスカート姿の女子高生たち。
日本では“コギャル”と呼ばれる彼女たちが映画の主人公だ。監督はこの極めて日本的な(ある意味韓国的な?)社会現象が、当事者である少女たちに持つ意味合いを、重くせずに見せようとする。そのためこの映画には“ベッドシーン”やヌードなどは登場しない。
代わりに、非常に抜け目のないしっかりとした少女たちが登場し、「グッチのバッグを買ってあげるからカラオケに行こうっていうオジサンたちはそこら辺にいる。簡単よ。ひと晩遊んであげればOK」と一喝する。
「カネを与えるから何かをしようという大人が問題なのか、若しくはカネのためにそれをしようという子供たちが問題なのか」についての舌戦も繰り広げる。一方では、妊娠中絶して体がボロボロになっていくコギャルもいる。
それでもこの映画は、援助交際に関する“報告書”になることを志向していない。むしろ映画は三人の少女の友情を扱った映画といえる。その中心にはコギャルでない、純粋な若さの情熱を象徴するキャラクターのリサ(岡元夕紀子)がいる。
「私は絶対にアメリカに行くの!そこには“なせばなる”っていう精神(Can do spirit)があるの。何でも、また最初からスタートすることができるんだ」
数カ月間コンビニでアルバイトして、ニューヨーク行きのチケットを手に入れたリサは、出発の24時間前に東京に初めて足を踏み入れる。しかし、見知らぬ人にカネをすべて奪われ、偶然出会ったコギャルのジュンコ(佐藤仁美)とラクちゃん(佐藤康恵)の二人がリサを助ける。
夜のストリートをさ迷うこの3人が作り出す活力と溌剌さは、偶然のハプニングやストーリーの蓋然性の不足を充分に補っている。『Shall we ダンス?』、『うなぎ』で韓国でもお馴染みとなった役所広司も憎めないヤクザ役で登場し、映画に安定感を与えている。
映画にどんなイメージを抱こうと完全に観客の自由だが、この映画が持つ確かなメッセージの一つは“父親”の不在だ。映画の中の台詞を借りれば「若かった頃は試験勉強と自慰ばかりして、歳を取ってから遊びだしたオジサンたち」がいるだけだ。リサは何があろうと決して家には帰らないと繰り返し言う。父親ではないオジサンと、彼女たちは一緒にストリートを闊歩する。