「釜山(プサン)は私にとって第2の故郷です。海があって、人口密度が高いという点から香港ととても似ている。特に、食べ物が美味しくて度々訪れています」。
『香港返還三部作』で有名なフルーツ・チャン(陳果/43)監督が韓国のチャン・ヒョクとチョウ・インソンが出演した韓中日共作のデジタル映画『公共厠所(Public Toilet)』で、6回目に釜山国際映画祭を訪れた。
フルーツ・チャン監督は97年、『メイド・イン・ホンコン』で初めて釜山を訪れて以来、一度も欠かさず、釜山映画祭を訪れている「常連」だ。98年、『グリーンフィッシュ』からモチーフを得て、『花火降る夏』を作ったほど、李滄東(イ・チャンドン)監督の熱烈なファンでもある。
今年のベネチア映画祭でアップストリーム部門審査委員特別賞を受賞した『公共厠所』は、北京、釜山、ニューヨークなど7都市を背景に、名薬を捜し求める若者たちの物語をトイレのイメージで表現した映画。
チャン監督は「多様なトイレ文化を短く描くことで、一つの大きな主題を表現したかった」と話した。
-『メイド・イン・ホンコン』が悲惨な現実を直接的な話法で描いているとすれば、『公共厠所』は隠喩と象徴で満ち溢れている。
「デジタルという異なる制作方法を使うだけに、雰囲気を変えてみたかった。『公共厠所』は生命に対する映画であって、以前のギャング映画とは比較にならない」
-映画には病と薬、トイレという3つの素材が繰り返されるが。
「病にかかれば薬を飲む。そうすれば排泄するようになる。生命はこのような循環と関連している。このような主題を日常で頻繁に接する素材でもって鮮明に表現できると思った。多分、“大便”を素材にした初の映画だろう」
-チャン・ヒョクとチョウ・インソンを出演させたきっかけは?
「チャン・ヒョクのミュージックビデオを見て、若者の爆発力を感じ、気に入った。チョウ・インソンはモデル出身だが、俳優の気質が感じられたため、キャスティングした」
-韓国映画を良く観ると聞いたが。
「韓国映画は発展の速度が非常に速い。アジア映画に及ぼす影響力が大きいため、欠かさず観ている。『ペパーミントキャンディー』、『春の日は過ぎゆく』、『8月のクリスマス』が特に好きだ」
-もはや、あなたはスター監督になったが、最も大きな変化は何か。
「初期は他人の言うことをよく聞いたが、今は自分の考えを表現することに、ずいぶん自由になった。
来年はラブストーリーに挑戦してみたい」