KBS『歴史スペシャル』がドラマのPRを?

 硬派なドキュメンタリー番組を標榜するKBSテレビの『歴史スペシャル』が、同局のドラマ『張禧嬪(チャン・ヒビン)』を宣伝するような番組を編成し、波紋が予想される。『歴史スペシャル』は23日、『張禧嬪は財閥家の娘だった』を放送する。

 KBSが同局のホームページに載せた資料によると、この日の『歴史スペシャル』は、張禧嬪が今までの通説とは異なり、仁顯(インヒョン)王后に対する恨みや嫉妬のためではなく、党争や王権強化という政治状況のためにこの世を去ったという内容を扱う。

 KBSが過去の“張禧嬪ストーリー”の数々と差別化すると掲げたテーマだ。『張禧嬪は財閥家の娘だった』というタイトルも、番組の中で張禧嬪が裕福な家庭出身だったと描いいているのと一致する。

 李ヨンシク担当プロデューサーは、「制作会議でドラマ『張禧嬪』が放送中であることから、視聴者の関心を集めることが可能だという意見が集まり、決定した素材」としながら、「自局ドラマの広報になり、誤解や非難を受ける可能性があると懸念する一部の意見もあった」と明らかにした。

 『歴史スペシャル』は今年2月にも『高麗(コリョ)の光宗(クァンジョン)、帝国の朝を開く』を通じ、自局ドラマ『帝国の朝』の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)での撮影ルポや主役へのインタビューなどを放送し、視聴者から「正統的な歴史ドキュメンタリー番組の信頼に自ら傷を付ける行為」などの非難を浴びた。

 経済正義実践市民連合のメディアウォッチャー、金テヒョン部長は「芸能、バラエティー番組は、すでに露骨な自局ドラマの宣伝の場となっているが、時事、ドキュメンタリー番組までがこれに加勢するのは問題」としながら、「ますます激しくなる視聴率競争の副作用だ」と語った。

 『張禧嬪』は金ヘスのキャスティングをめぐる映画会社の騒動、制作会社の代表とプロデューサーの暴力沙汰に続き、最近では扇情性の議論まで引き起こし、視聴率が15%前後まで低迷している。

チェ・スンヒョン記者
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