ぐるぐると目が回るような、牛乳瓶の底のように分厚い眼鏡をかけていても可愛い。お下げ髪もぴったり似合う。
映画『下線を引く男』の釜山(プサン)市・東(トン)区の釜山中学校の撮影現場で会ったペ・ドゥナだ。本当に可愛らしい“ロマンチックコメディー”に出てくる主人公のようだった。
この日の撮影シーンは、主人公「ヒョンミ」の高校時代。野球選手のパン・チャンホに片思いするヒョンミが、ネット裏から熱心に応援するシーンで、ペ・ドゥナは幾度となくアドリブでコミカルな表情を作り出す瞬発力をアピールした。ペ・ドゥナのコメディエンヌぶりに、スタッフたちは笑いを堪えきれず、NGを出たりもした。
この日、パン・チャンホ役で特別出演したヨン・イ監督は、「特別に注文をしなくても、彼女が勝手にやってくれるので、監督の立場としては非常に楽」と絶賛し、「演技派女優ペ・ドゥナの女性らしい側面を強調する」と語った。
先月クランクインした『下線を引く男』でペ・ドゥナが演じるヒョンミという人物は、ロマンスの女王を夢見る可愛いらしい少女だ。
子供の頃から今まで、愛する人に対する愛情表現を怠ったことはないが、いつも寂しい結末を迎えていた。時と場合を考えずにプロポーズしたのが問題だった。
「ある日、図書館で借りた画集からラブレターを見付け、運命的な恋愛が始まると信じるんです」
出演作品ごとにマフラー、手袋などの小物を直接購入するペ・ドゥナは、今回の作品では分厚いレンズの眼鏡を選んだ。多少無理があっても可愛らしいヒョンミの性格を表現するためにだ。映画の中でヒョンミは、高校卒業後には赤い口紅を塗り、お姫様のような綺麗な服も着る。
「今回で8作目になりますが、本格的なラブストーリーは初めてじゃないですか。新しい姿を披露して観客の心をキャッチします」
撮影現場のモニターに映った“ヒョンミ”の可愛らしい表情を見たら、映画『美術館の隣の動物園』のチュンヒや、『猟奇的な彼女』の“彼女”のように、魅力的な女性キャラクターの誕生を期待しても良さそうだ。『下線を引く男』は現在約40%の撮影が終了し、来年3月の公開が予定されている。