『メン家の全盛時代』で「壊れキャラ」初体験の李ジェリョン

 先程までスタジオモニターを通じて映し出されていた男は、暴力団員のチェ・ギュシク。

 しかしカメラの前を一歩離れると、いつの間にか彼は真面目な演技者に戻っていた。投げかける一言一言に信念と情熱が溢れていた。

 李ジェリョンはMBCテレビの週末ドラマ『メン家の全盛時代』で、前科2犯の詐欺師、チェ・ギュシク役で出演している。チェ・ギュシクは子供の頃は優等生だったが、屈折した社会からドロップアウトした人物だ。

 李ジェリョンとしては期待も大きく、プレッシャーの多いキャラクターだ。

 主に正義感溢れる役を演じてきたため、チェ・ギュシク役を通じて自身の幅広い演技力をアピールする機会となりそうだ。しかし、後に更正するチェ・ギュシクの姿は、バラエティーに富んだ演技力を要求される。

 夫人の柳好貞(ユ・ホジョン)は、李ジェリョンの演技がオーバーにならず、なおかつ平凡にならないようアドバイスし、大きな助けになっている。


 李ジェリョンは『メン家の全盛時代』のロケで、大変な苦労をしている。

 借金取りに殴られるシーンで、倒れる際に頭から落ち、首の骨が折れる所だった。しばらくの間は首をまったく動かすことができないほどの苦労をし、最近になってようやく回復してきた。この他にも塀を飛び越えたり、冷たい冬の海に飛び込むなど、アクション映画にも劣らないシーンの数々をこなしてきた。

 チェ・ギュシク役に対する愛着がこうした出来事でさえも楽しくするようだ。

「チェ・ギュシクは詐欺師だが、すべての悪事は家族のために始めたという点で、憎めないキャラクターだ。ドラマがスタートしたばかりなので、まだ演技がぎこちないかもしれないが、これからは視聴者に対して恥ずかしくないドラマにしたい」

 李ジェリョンはあまりにも忙しいために、目に入れても痛くない程に可愛がっている息子のテヨン君の面倒を思う存分見られないのが最近の最も辛いことだ。李ジェリョン夫妻は現在出演中の作品が終了次第、しばらく芸能活動を中断する予定だという。

 李ジェリョンはインタビューの間、リビングの床に膝まづいたり、あらゆる表情演技をして、自身の多様な感情を伝えようと一生懸命だった。

「お疲れ様でした」とあいさつを交わし、収録現場に戻って行く彼の姿は、いつの間にかまたチェ・ギュシクに変わっていた。

スポーツ朝鮮/シン・ナムス記者
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