“R&Bの妖精”朴ファヨビ(21)がニューアルバム『Because I Love You』で再びスポットライトを浴びている。
最近の音楽シーンで最もスタンダードなジャンルはR&B。しかしそのほとんどは上辺だけのR&Bに過ぎず、声を自由に操るテクニックとグルーヴを持ち合わせたシンガーは稀だ。
ちょうど2年前の今頃『LIE』でデビューし、一気にスターダムにのし上がった朴ファヨビは、そうしたR&Bシンガーの中でもテクニックと親しみやすい音色で圧倒的存在感がある。地声と裏声を織り交ぜ、感情のバランスを使い分けるテクニックは、年齢に似合わず非常に繊細だ。1stアルバムから披露している作曲の実力も相当なものだ。
朴ファヨビは3rdアルバムで、こうした潜在力と魅力を惜しみなく発揮していると評価されている。1st、2ndアルバムで、パワーと意欲に溢れていた高音は、いっそうソフトになって円熟した。
セルフプロデュースも務め、12曲中6曲の作詞、作曲、編曲を手掛けた。コーラス部分も本人が直接歌って収録した。すでに3枚のアルバムを発表した21歳の女性シンガーとしては非常に珍しい実力派だ。
タイトル曲としてヘビープレイされている『どうですか』は、1996年に李ジョンボンが歌ったバラードをカバーしたもので、朴ファヨビが感情豊かに歌い上げている。カバー曲にも関わらず、原曲とはまったく違った新鮮さを感じさせる。
朴ファヨビは「何と言っても歌いやすく、心に染み入る曲なので、思い切ってタイトル曲にしました」と語った。
じわじわと誘惑するように官能的な自作曲『On&On』、70年代ソウルディスコスタイルの『Change』、じっくりと歌い上げるR&Bバラードの自作曲『こんな夜』、ラテンギターと歌謡風のメロディーが成熟した雰囲気を演出するR&Bナンバー『愛は』などの収録曲は、全般的に過去のアルバムに比べ、リラックスしていて親しみやすい。