趙寬一(チョウ・グァンイル/53)農協電算情報分社長は、出版界でサラリーマンのうち、最もたくさんの本を著述した人として有名だ。
最近彼が出版した『顧客殺し』は彼の15番目の著書。どうすれば顧客に親切にできるかということを盛り込んだ実用書だ。現在、16番目の本を準備している趙氏は「15年前、友たちに『退職するまで、20冊の本を出版する』と約束した」とし、今後、著述する本のテーマは既に決めていると話した。
趙氏は自身を「サービス研究の第1世代」と紹介するほど、親切・サービス分野に対する本を主に書いてきた。しかし、彼が著述した本の中には夫婦関係や女性の自我実現など、ユニークな分野の本も少なくない。
「本を上手く書ける秘訣」を聞くと、彼は「新聞と雑誌、本などを読みながら、関心のある分野の内容は切り取り、スクラップすること。こうやって集まった資料がある程度の分量になれば、執筆に取りかかる」と話した。
趙氏は「将来、『本を書ける方法』という本も書こうかと考えている」と笑った。
「本を書き始めたのは、自分の不足した部分を埋めるためでした。地方大学を出て農協に就職した後、人より何でも良いから優れた能力を持たなければならないと考えました。悩んだ末、出した結論が本を書くことでした」。
趙氏は1980年代、初めての本『顧客応対』を出した。農協の窓口で働きながら、顧客を直接応対した経験や集めた資料などを合わせたものだ。初の著作で勇気を得た彼は83年、2番目の著作『顧客を丁寧に持て成しましょう』を書いた。88年以降からは1年に1冊の割合で本を出した。
趙氏は自ら「本を書く技術が見についたようだ」と話すが、これまでの作業はそう容易ではなかったという。職場では本を書けないので、自宅に帰り、夜9時のニュースが始まると同時に著述を始めた。『顧客を丁寧に持て成しましょう』を出した後は、神経を使いすぎたせいで胃潰瘍を患ったりもした。
趙氏は「本を書きながら苦労もしましたが、会社内で段々、サービスの専門家と評価され、ソウル本社に抜擢されました。今は、全国農協の電算網を総括する電算情報分社長まで務めています」と明るく笑った。
最近、人と会う度に本を書いてみるように勧めているという。「本を書くと勉強する時と同じように自分自身が発展します。それだけでなく、自分を最も的確に知らせる良い方法でもあります。将来、20冊目を出版する時は、出版記念会というものも開いて見たいものですね」。