ドラマにもリメイクブーム

 過去のヒットドラマが続々と復活する。映画、音楽界で頻繁に行われたリメイクブームが最近、放送業界へも飛び火した。80年代の人気ドラマが最近の視聴者の嗜好に合わせ、再び制作されて話題だ。

 KBSはドラマ『孤独』の後続として、KBS第2テレビで来年1月から50回シリーズの『妻』をスタートさせる。80年代の中盤にも同局で放映されたこのドラマは、愛をテーマに描いた作品で、主婦を中心とした多くの視聴者たちの目頭を熱くさせた。当時、シナリオを担当したチョン・ハヨン氏が再びこのドラマを手掛けることになり、KBSの期待も相当大きい。

 このドラマは交通事故に遭って記憶を失った一人の男性が、自分を救ってくれた女性と恋に落ちて結婚までする。しかし、記憶を取り戻した後に元妻と再会し、心の葛藤が起こるという内容。 2003年版『妻』の主演には金喜愛(キム・ヒエ)、柳東根(ユ・ドングン)が確実視されている。演出の金ヒョンジュンプロデューサーは「原作の作りが非常にしっかりしているので、その分期待も大きい」としながら、「しかし、80年代と現在の視聴者の感性がまったく異なるので、その点が難しい」 という。

 KBSが来月6日からスタートさせるシリーズ100回の時代劇『張禧嬪(チャン・ヒビン)』も同様だ。 80~90年代に3度もドラマ化されたことのある素材だが、KBSは「進歩的な張禧嬪」を掲げて差別化を図った。尹興植(ユン・フンシク)KBSドラマ局長は「自分の人生を主体的に生きようとした進歩的な意識を持った女性の生涯を描く」と語った。

 “リメイク”とは距離があるが、他のジャンルの“名作”をドラマに導入する試みも活発に行われている。SBSが『野人時代』の後続として準備中の時代劇『王の女』は、朴鍾和(パク・チョンファ)の小説『消えて行くあの雲よ』が原作だ。先祖、光海君(クァンヘグン)父子の愛を一身に受けた尚宮(サングン/王室や後宮に仕える女官)の話。

 KBSはまた、80年代の人気漫画『バルバリの思い出』をドラマ化し、12月から第2テレビでスタートさせる方針だ。原作者のカン・チョルス氏が直接シナリオを手掛けるのも話題になっている。

 最近のこうした流れに対して関係者らは、新しいストーリーを作り出せないまま過去にヒットした素材に依存するテレビ局の姿勢を批判する。速いテンポのドラマに慣れた視聴者に合うように、思い切った脚色も必須だという指摘もある。しかし、『許浚(ホ・ジュン)』、『青春の罠』といったリメイクドラマの成功確率がかなり高いことだけは事実だ。

 SBSドラマ制作局の関係者は「最近の視聴者たちの嗜好に合わせることがリメイクドラマの最大の課題」としながら、「過去に立証された視聴率を過信してはならない」と語った。

チェ・スンヒョン記者
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