写真作家のチョ・セヒョン(44/中央(チュンアン)大兼任教授)さんが29日、ソウルリッツ・カールトンホテルで「乳がん撲滅キャンペーン」のためのヌード写真展を開く。ヌード写真展は世界的に乳がん撲滅キャンペーンを展開している化粧品メーカー「エスティ・ローダー」が今年5月、チョさんに展示会の支援を提案して実現した。
チョさんは「韓国の女性たちが乳がんに対して無関心なために、他国に比べ被害が深刻だという話を聞いて今回に至った」と語った。チョさんは今年7月、映画『ピアノ・レッスン』に登場したニュージーランドの海岸やロッキー山脈などで現地モデルらと撮影を終えた。
チョさんは「暗雲が低く垂れ込めた場面を撮るために、モデルたちと半日以上待ったりもした」とし、「展示される20点の一つ一つが分身のようだ」と語った。写真展で販売される作品やポスターの収益金の全額は、韓国がん協会に寄付する予定だ。
チョさんは主にトップスターの美しさを引き出す写真家として知られるが、2年前からあることも並行して行っている。毎年秋になると、ソウルのソンバウル学校を訪問し、知的障害を持つ子供たちおよそ40人の写真を撮り、クリスマスプレゼントとして贈っている。昨年からは体が不自由で身寄りのない人々が集まって暮す慶尚(キョンサン)北道・高霊(コリョン)郡にある「野花村」の約100人の写真を撮っている。
チョさんは高校時代から写真作家を夢見ていたが、写真を通じて作品活動と同時に有意義な活動も行っている。チョさんはチュンドン高校時代に『宴Cフ』、『ナショナル・ジオグラフィック』などの本を通じて写真に魅かれ、家の反対を押し切って中央大の写真学科に入学したという。人物やファッションの撮影で頭角をあらわすようになったのは、大学卒業後に写真記者として入社した女性雑誌『主婦生活』だった。
チョさんは92年からフリーランサーとして活動を開始し、「90年代の広告市場と芸能産業の成長と共に運を勝ち取った」という。
チョさんは現在“売れっ子写真家”だが、仕事に対する意欲はとどまらない。チョさんは「最新のトレンドが分からなければならない」と、海外へ撮影に行く度に写真ギャラリーや図書館に寄ることを忘れない。今年7月にニュージーランドを訪れた時は、カンターベリー大学の図書館に寄って世界的な写真作家リチャード・アべドンの資料を集めたという。
チョさんに今後の夢について聞くと「今後あらゆる文化は映像から始まるでしょう。写真を専門的に教えるアカデミーや映像に対する感覚を子供の頃から育てるための“子供写真教室”を運営できればと思っています」と語った。