「東京国際芸術祭」で一人芝居を演じるナ・ジャミョンさん

 日本の東京で来月開催される「2002東京国際芸術祭」は、韓国から一人の女優を一人芝居の主演として招待した。名前はナ・ジャミョンさん(34)。韓国では聞きなれない名前だ。最近ブレイクした新人でもなく、もちろん有名スターでもない。1メートル51センチの小さな体で、ずば抜けた美貌の持ち主でもない。しかし彼女は“ボーダレス演劇女優”として自分の道を切り開いている女性だ。

 出発を翌日に控えた21日に会ったナさんは「私のような無名女優にお金まで出して出演してほしいと言ってくれ、本当に運がいいと思います」と大きな声で笑った。今年3月にも日本の演劇集団「楽天団」の演劇『居留地姉妹-The Rez Sisters』に日本の俳優5人と出演した。公演当時、日本の評論家から「世界の舞台に出てもおかしくない、優れた唱法と表現力を持っている」と評価され、作品の原作者のトムソン・ハイウェイも「砂漠に花が咲くような吸引力がある」と絶賛した。

 「高校を卒業後すぐに日本へ渡り、昭和大学に3年間在学し、98年には文部省の招きを受け、日本の劇団で6カ月間活動したんですよ。その時に日本の演出家たちが注目してくれたようで、運が開けました」。ナさんは「日本を最もよく知る“日本通の女優”になりたい」と語った。

 ナさんが今回出演する作品は、一人芝居『嘆きの7段階』(演出:和田喜夫/11月14~19日/スタジオあくとれ)だ。オーストラリア原住民の家族の話を通じて、有色人種が経験する人種差別と物悲しさなどを描いた悲劇的なストーリー。

 ナさんは体を覆ってしまうほどの大きなバッグに自分で描いた絵が入ったCDロムをぎっしり入れて歩く。会う人毎に見せて、いつか個展を開くという夢を実現させるためだ。98年にナさんが出演した演劇『サンシッキム』の演出を務めた蔡允一(チェ・ユンイル)さんは「あれほど積極的に自分の道を開拓している女優は初めて見た」と語った。

李圭鉉(イ・ギュヒョン)記者
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