韓国女性史研究のパイオニア朴容玉教授

 「金マリアをご存知ですか?東京での留学時代『女性界』という雑誌を作り、民族解放、職業解放、奴隷解放、学問解放、女性解放を唱えた方です。祖国の独立にも女性が男性と同等な資格で参加しなければならないという考えの下、女性独立運動組職である大韓民国愛国婦人会を結成し、闘争に参加しました」

 18日午後1時からソウル市内のジョンシン女子高校で「生誕110周年記念、金マリアの生涯と抗日独立運動にスポットライトを」というテーマで学術大会を開く歴史学者の朴容玉(パク・ヨンオク/66/誠信(ソンシン)女子大名誉教授)さん。

 朴さんは「独立運動史で柳寛順(ユ・グァンスン)烈士に引けを取らない人物である金マリアが、大衆にあまり知られておらず、尊敬されることもなく残念」とし、「歴史上には、ただ女性という理由だけで、軽視された人物が非常に多い」と語った。

 朴さんは昨年定年退職してから、より活発に活動するようになった女性史学のパイオニアだ。ソウル大史学科出身の朴さんが韓国の女性史に関心を持つようになったのは、大学院卒業後、国史編纂委員会に勤めていた1960年代中盤だ。

「史学界の大先輩だった李ソングン博士が当時『女性たちが自らの歴史を研究しないのは大問題』と叱咤されたんです。最初は論文を3つか4つくらい書けば終わるだろうと思って始めましたが、実際に始めてみるとやるべきことが非常に多かったのです」

 女性史関連の初論文である『国債保償運動への女性参加』は、史学界のみならず、社会学界にも大きな反響を呼んだ。実際の女性を捜し出し、彼女たちの生涯と業績を伝えるというやりがいも大きかった。

 “人間常緑樹”と呼ばれる崔容信(チェ・ヨンシン)をはじめ、松竹決死隊リーダーの黄愛徳(ファン・エスド)、満州平野の闘士、南慈賢(ナム・ジヒョン)、民族教育に財産を捧げた平壌(ピョンヤン)の富豪、白善行(ペク・ソンヘン)など。朴さんの努力は、朝鮮時代の女性史、韓国近代女性史、韓国女性抗日運動史研究などの本として出版され、女性史研究の貴重な資料となっている。

金潤徳(キム・ユンドク)記者
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