「俺は鐘路(チョンロ)の“親分”として、潔い最後を飾りたい。これからは斗漢(ドゥハン)を親分にしろ。グ・マジョクの時代は終わった」
視聴率50%以上を記録し、勢いに乗るSBSテレビのドラマ『野人時代』の大黒柱だった“グ・マジョク”が、15日鐘路を後にした。朝鮮最高の無頼漢だったグ・マジョクは“新鋭” 金斗漢(キム・ドゥハン)との決闘で、痛恨の敗北を喫すると、突然満州へ向かい、波乱万丈だった“無頼漢人生”を締め括った。
「寂しいですよ。李ウォンジョンという名前を世間に刻み込んだドラマでしたから。11日に順天(スンチョン)駅で最後のロケを終えて、張亨一(チャン・ヒョンイル)監督と抱擁しながら涙が出ました」
グ・マジョクを演じた李ウォンジョン(37)は、『野人時代』が輩出した最高の“スター”だ。映画『新羅の月夜』、『逹磨よ遊ぼう』などのコミカル演技でその名をとどろかせた李ウォンジョンは、このドラマで重圧感ある“ボス”役を演じきり、主人公を凌ぐ人気を得た。インターネットのファンサイトも登場した。
「林と手を結んでから光を失いましたが、グ・マジョクは一言で“格好いいヤクザ”だったと思います。部下たちがやらかした過ちの全責任を取り、敗北を認めた後、潔く退く姿から“本当の男”の姿が見られます」
京畿(キョンギ)大の行政学科を卒業した李ウォンジョンは、1987年の軍除隊後、演劇が好きでそのまま大学路(テハンロ)の劇団に飛び込んだ。
初のテレビ出演は97年のKBSドラマ『龍の涙』の端役だった。ここで注目された李ウォンWョンは、譲寧(ヤンニョン)大君に付いて回る乞食の親分役を演じた。その後、数多くのドラマや映画に出演し、その集大成として『野人時代』で不動の人気を確保した。
「今後も長く演技者としてやっていける足場を得たようで心強いです。大衆性も重要ですが、私の根はどこまでも演劇です。なので、年に一回は必ず演劇に出演しています」
『大望』でも中心的な役を演じた李ウォンジョンは「作品ごとに変身しなければならない」というのが信条だという言葉通り、11日に公開された映画『男子生まれる』では、体格に似合わない可愛らしいボクシングのコーチを演じている。