高羽栄(コ・ウヨン/63)の代表作『三国志』(全10巻/アニメブックス)が24年ぶりに“ノーカット完全版”で復刊された。
“ノーカットョ全版”という表現には、79年にこの本が初出版された当時の審議と検閲に対する皮肉が込められている。当時、漫画は事前審議を受けなければならず、暴力や扇情的などの理由で約100ページ近くのオリジナル原稿がカットされ、修正された。例えば趙子龍が縦横無尽に斬りつけて討ちとった敵の首は「嫌悪感を助長する」という理由のために真っ黒な四角形に塗られ、ぽっかりと開いた洞窟で表現しようとした女性のシンボルなど、随所で光を放った愉快なエロチシズムは、無条件に白い修正液で塗りつぶされた。 作者は「あらゆる思考が凝り固まった時期だった」と表現した。
復元は作者が直接参加して行われた。高羽栄は「1978年のスポーツ新聞連載当時のオリジナル原稿は、ほとんど満身創痍の状態だった」とし、「カットされた絵を新たに付け加えて、消された部分を新たに描き入れた」と語った。
“間抜け”に描写された劉備玄徳、“姿勢の良い人物”として描かれた関羽、“男らしく”描かれた張飛など、登場人物に対する新しい解釈で「連載した新聞の発行部数を爆発的に増やすほどの人気を得た」といわれる“高羽栄の三国志”が、ようやく本来の姿を現す。
高羽栄は二カ月前に大膓がんの手術を受けた。米国にいる息子に会いに空港へ行く途中にひどい激痛を感じ、そのまま病院に引き返して診断を受け、その後手術まで受けたというのだ。幸い経過が良く、今は抗がん剤を投与しながら通院治療をしているという。現在は再開しているが、そのために新聞連載も一カ月間休んだ。新聞連載40年目にして初めてのダウンだった。
「全快するまでは無理しないほうがいいのでは」と尋ねると、「三国志でなくとも『水滸伝』や『一進会』などの作品がまだあるので、これらを復活させるためにはまだまだやることが多い」という返事がかえってきた。
若い作家たちも数人の門下生とアシスタントを置いて仕事をするのが流行のようになってしまった漫画界の現実で、高羽栄は今でも“自分一人での作業”に固執している。還暦を迎えたが、まだまだ“元気な現役”だ。