ドラマ『孤独』で恋に落ちる李美淑とリュ・スンボム

 ひとしきり夕立が降った後、日差しがなおさら眩しい3日午後、春川(チュンチョン)新梅(シンメ)里の孔之(コンジ)川付近。恋人にしては年齢差のある男女が車の前に立っている。KBS第2テレビの新ミニシリーズ『孤独』の主人公、李美淑(イ・ミスク/42)とリュ・スンボム(22)だ。

 「ここどこ?」(李美淑)「春川。博物館前まで行ったのに、理事が起きないので、ここに来ました」(リュ)「いいところね。いつ知ったの?」「父と母の故郷です。母はこの川にいます」

 固い表情だった李美淑の口元が少しずつ微笑む。世間のしがらみに疲れた40代のシングルマザーが周りを明るくする才能を持つ20代の青年に心を奪われる瞬間だ。

 『孤独』は『嘘』、『馬鹿みたいな愛』などで「疎外された愛」を描いたピョ・ミンスPD(プロデューサー)、ノ・ヒギョン作家が再びコンビを組んだ作品。企業イメージのコンサルティング会社代表で15歳の娘を育てる40歳のシングルマザー、キョンミン(李美淑)が、部下で25歳の青年ヨンウ(リュ・スンボム)と激しい愛に落ちるという内容。

 ピョPDは「男女間の愛というよりも、人間と人間の愛という観点で描いていきたい。社会から指を指されるような愛の真実を掘り下げるという点で前作のテーマが続いている」と話す。

▲李美淑―生きることが苦痛な女=「年が関係ありますか?女性の年が多いからって何ですか?男は30も40も年下の女性と結婚しても問題ないでしょう。偏見を捨てて愛そのものを見てください」

 李美淑は「15歳年下の男と恋に落ちるという設定をどう思うか」という質問に、ためらわずこう答えた。「実際にそういう恋をしようとも、他人の目を意識して避けるような愚かなことはしない」と断言した。妹の婚約者と恋に落ちる映画『情事』のヒロインとしての自負心を持つ李美淑だ。

 李美淑は実際、20歳も年下の相手役のリュ・スンボムに対し好感を示した。「テレビとは違ってとてもシャイなんです。いやみったらしい若者は好きではないので、とても新鮮に思いました。幸い彼女もいますし…(笑い)」

 李美淑は「作品が成熟している」と語った。画面を通じて間接的に伝わる人物の心理は、他のドラマでは見られないという意味だ。


 李美淑は40代とは思えないほど相変わらず美しい。20年経ってもまったく変わらない容貌だ。「中年の美しさを表現したいです。同年代に40を越えてもこれだけ強くいられるということを見せ、勇気を与えたい」

▲リュ・スンボム-愛を注ぐ男=「男女間の愛には異性としての愛もありますが、それ以外のものもあります。キョンミンとヨンウの愛がまさにそれです。40代の女性が忘れてしまった清々しさを20代の男性が注ぐ愛と言いましょうか」。

 「キュー」の声と同時に声のトーンが上がったリュ・スンボムは「カット」の声と同時に撮影が中断すると、うつむいて照れている。今までの“ごろつき”のイメージはまったく見ることができない。リュ・スンボムは『孤独』の愛を映画『レオン』の中のマチルダとレオンの愛情くらいだと理解していた。「一人の人間が一人の人間に注ぐことのできる最大限の愛を演じてみたいです」

 このドラマは誇張され、騒々しいキャラクターでスターダムにのし上がったリュ・スンボムにとっての新しい試験台だ。誰もが羨むような学歴を持つエリート役を演じるのは初めてだからだ。「強情なキャラクターではなく、リラックスして演じられる機会を得たわけです。以前のキャラクターは自ら作ったものでした。視聴者がどう見てくれるか、プレッシャーなのは事実です」

 リュ・スンボムはドラマ『華麗な時節』でコンビを務めたコン・ヒョジンとオープンな交際を続けている。スケジュールが合わないため、なかなか会う時間がないが、毎日10回以上は電話をするという。「お互いに共感することのできる同年代と恋愛をするのがいいです。

保守的なためでしょうか、社会通念とだいぶ異なった恋愛はちょっと…」

春川(チュンチョン)=チェ・スンヒョン記者
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