4年ぶりカムバックしたカン・サネ「音楽よりも人生について苦悩した」

 カン・サネが帰ってきた。1998年春、『川を遡る力強いあのサケのように』から4年ぶりに、自分の本名をタイトルにした正規アルバム『カン・ヨンゴル』をリリースし、15~20日、徳寿宮(トクスグン)隣の第一火災・セシル劇場でカムバック記念のコンサートを開く。

 人生と共に息衝く歌詞、韓国独特の拍子と情緒が織りこまれたメロディー、力強く自由な声。ちょうど10年前、南北離散家族の恨(ハン)を叙情的に昇華させた『ラグヨ』でスポットライトを浴びて登場したカン・サネは、だから1990年代、韓国歌謡界に「韓国的なフォークロック」を根付かせたミュージシャンと評価されている。

 そんなカン・サネの音楽のコードは「放浪」と「自由」だ。4年という長いブランクについて、彼は、「音楽よりは、どのようにして生きるべきかという本質的な質問の答えを捜し求めて、さ迷った」とした。

 米国に渡り、当てもなく旅をし、ジョシュア・ツリー砂漠の茫々たる砂の丘で、何日も過ごしたりもした。今回のアルバムのジャケットをパスポートの形にデザインしたもの彼のアイデアだ。

 「ある日、砂漠の岩の上に座り、自分に問いかけました。お前はここで何をしているんだ、とね。それで、帰ってくる決心をしました。自分のやりたいこと、やれることを探すために」。

 経験と体臭の染み込んだ「自分の物語」で、強烈な共感を与えるカン・サネの音楽の生命力は、今回のアルバムも例外ではない。「すべてを脱ぎ捨てたまま、裸で、俺は太陽の下で踊っている…」と、砂漠での経験を歌った『サン トライブ(Sun Tribe)』と、月明かりの下の都心が舞台の『ムン トライブ(Moon Tribe)』の対比は、とても印象的だ。

 咸鏡(ハムギョン)道の名物、明太を素材にした『明太』では、もう一度離散家族の父の思い出をテーマにした。コミックな慶尚(キョンサン)道の方言を、まるで外国語に聞こえるように歌った『ワグラノ』に至っては、音楽的アイデアと自由さに舌を巻いてしまう。

 「フォークロックだとか、ロックンロールだとか、そういった区分からは脱皮しました。根はロックでも、ただ『音楽』をやるだけだと思うんです」。

 カムバックコンサートでは、4人組みのロックバンドと一緒に、『ラグヨ』、『…シャケのように』、『君ならできる』といったヒット曲と、新曲も披露される。問い合わせ: (02)3272-2334。

クォン・ヒョクジョン記者
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