『憶えているの』、『プレゼント』などを歌った歌手、朴キヨン(25)がミュージカル『禁断の惑星への帰還』(原作:ボブ・カールトン/演出:チョ・テジュン/11~26日、LGアートセンター)に主人公のミランダとして出演し、南京柱(ナム・ギョンジュ)と共演する。
朴キヨンは1998年にデビューし、4年間で4枚のアルバムを続けてリリースしてきた人気歌手。テレビにもほとんど出演せず、ライブ舞台のみで歌唱力を披露する朴キヨンのミュージカル進出は意外だった。公演を10日後に控え、疲れた目をしながら現れた朴キヨンは、開口一番「本当に大変なんですよ」と言い出した。
「ロックンロールミュージカルなので、私なら上手くできると思って兆戦してみましたが、コンサートよりもずっと大変です。キーボードやドラムを叩きながら、踊って、歌って、演技もして…」
この公演は難破した船の船長と島に住む純粋な女性との恋愛を素材にしたシェークスピアの『テンペスト』が原作だ。背景を2050年の宇宙のある惑星に変え、エルビス・プレスリーの『LITTLE LESS CONVERSATION』、クリフ・リチャードの『The young ones』など、50年代のヒット曲の数々を使って楽しい舞台を作った。1989年に英国で初公演が行われ、その翌年にオリヴィエ賞(ロンドンの優れたミュージカルに与えられる権威ある賞)で「最高ミュージカル賞」を受賞した。2時間の公演で歌を30曲近く歌う上に、俳優が楽器を2~3個ずつ演奏しなければならないため、まさに“歌手のためのミュージカル”といえる。
「ミランダは世間知らずの純粋な女性です。父が死んでから間もなく、愛にすっかり溺れてしまうなど、私には理解できないほど子供です」
朴キヨンの声はとても小さく、耳を傾けてやっと聞こえるほどだった。「声を守るために歌以外の時はわざと小声で歌います。なので皆はもどかしいようです」
朴キヨンは「秋夕(チュソク/旧盆)連休の際にミュージカル『ユーリンタウン』を観て、どんなに落ち込んだことか…」と語った。「私もあんな風に上手く演じなければいけないのに…。練習が夜12時頃に終っても、心配で寝られないほどでした。でも今回のミュージカルで大衆音楽の土台となったロックンロールについて本当によく理解できたと思います」。朴キヨンはブラックミュージックや過去80年間のポップスの移り変わりなどについて口を休めることなく話し続けた。“とにかく一度学んでみよう”という勉強熱心なアーチストだという印象を受けた。
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