タレントの朴サンウォン(43)はどっしりとした存在感のある俳優だ。1980年代後半以降、数多くの“時のスター”が生まれては消えていった中、落ち着いた眼差しが物語るように、まったく動じることなく、自らの位置をキープしてきた。滅多にお茶の間に姿を見せなかった朴サンウォンが、10月からスタートするSBSの週末ドラマ2本に同時出演する。『大望』(10月12日スタート、土・日曜午後9時45分)と『流れる川のように』(10月26日スタート、土・日曜午後8時45分)だ。
「出演が重なるのは苦手ですが、『大望』の放送スケジュールが延期されたためにこうなってしまいました。同じテレビ局で連続して放送される2本のドラマに出演するのはプレッシャーです。一方は時代劇、もう一方では完璧に違うキャラクターを演じるので苦労も多いです」。彼の照れくさそうな笑いは、予想外の“同時出演”に戸惑う率直な気持ちが表れていた。
朴サンウォンは金鐘学(キム・ジョンハク)プロデューサーと放送作家・宋智娜(ソン・ジナ)氏が組んだ『黎明の瞳』『モレシゲ(砂時計の意)』の主演を演じ、長い余韻を残した。そして、7年ぶりに『モレシゲ』のスタッフが再び集結した『大望』では、主人公の父親フィチャン役を演じる。野望を抱き、政治までも左右する朝鮮後期の巨商で悪役だ。
「主演じゃないですって?あまり気にしていません。このドラマで私はスタッフのようなものです。みんなともともと親しいので。正直なところ最初は迷ったんです。ところが放送作家の宋智娜さんがニュージーランドに発つ前日、一緒に食事をしながら『どう考えてもフィチャン役はサンウォンさんしかいない』って言うんですよ。『ありがとうございます』と言って快く出演を決心しました」
『流れる川のように』は朴サンウォンがMBCテレビのドラマ『あなたそして私』で出会った放送作家の金ジョンス氏の作品。金ジョンス氏の要請でなかったら『大望』に専念していたはずだと朴サンウォンは言う。このドラマで朴サンウォンは歳に似合わず自由奔放な感性を持った電子製品デザイナーのジホン役で登場する。まさに朴サンウォンの“専門”分野だ。
「簡単に恋愛して簡単に別れる、そんな役ですよ。ところがある日、一人の女性の愛情を受け、熱しやすく冷めやすかった性格が一変して、すっかり彼女に夢中になります。ほのぼのとしたホームドラマという感じですね」
最近、朴サンウォンはミュージカル『真夏の夜の夢』に出演し、西京(ソギョン)大学演劇映画学科に出講もしている。今年4月にはワールドビジョンの親善大使として朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に訪問した。ジャンルを問わず自由に演技し、社会活動にも積極的な朴サンウォンは、いつも大衆の温かい関心の中にある。「ただ周りを見回すだけで、やるべきことが多いのだなと感じます。
なので今回の2本のドラマを終えたら、短くても休みを取って、考える時間を作らなければと思っています」