コメディアン・金ジンス「真剣な演技を見せます」

 「全然可笑しくないはずです。コメディアンではなく新しい演技者が一人現われたと思ってください」

 コメディアンの金ジンス(31)が秋夕(チュソク/旧盆)のお茶の間に密かな“反乱”を起こす。金ジンスは20日午前10時からオンエアされるSBSテレビの秋夕特別ドラマ『家族作り』で主演のマンス役を演じて本格的に演技者としてデビューする。『女対女』、『ハニーハニー』、『テーマゲーム』などのシチュエーション・コメディーに出演した経験はあっても、普通のドラマは初めて。コミカルな演技を想像してしまうが、金ジンスは「真剣な演技を披露する」と言い切った。

 ドラマの中でマンスは孤児院の出身で小さな餃子屋を営む34歳の独身男性。愛する花屋の娘、ソンヒとの結婚を控えている。しかし、出会ってから今まで嘘をつき通してきた家族の話のためにマンスは頭を抱える。悩んだ挙句に知人を寄せ集めて偽の家族を作るのだが、次々とハプニングが起こっていく。

 「お笑いに比べて余裕があります。役に入り込む時間も十分です。バラエティ番組の司会をやっていたせいで、自分でも知らないうちに声が舞い上がってしまって、トーンを下げるのが大変でした」

 お笑いの世界で金ジンスは“努力派”の一人に数えられる。お笑い番組はもちろん、最近ではMBCテレビの『コメディーハウス-ポンジャヤ』で大きな顔を逆手に取った無邪気な演技で人気を集めた。その他にもSBSの『良い友達』やMBCの『ワォ動物天下』などのバラエティ番組の司会者を務めている。

 「ソウル芸大時代から演技が好きだったんです。何も考えずに笑うのもいいですが、涙と意味のある笑いは人をもっと幸せにしてくれると思います。口だけで騒ぐようなギャグは、何だか真実味に欠けた感じを与えるじゃないですか」。金ジンスは「1年に1、2回ドラマに出演して演技の幅を広げたい」としながら、「今回のドラマを見てオファーが殺到しないか心配で仕方がない」と冗談を飛ばした。

 家族全員が集まる秋夕を控えて金ジンスは心配が先立つ。ドラマと同様に実際にも独身の彼に親戚たちが「早く結婚しなさい」と急き立てるためだ。弟はすでに結婚して、甥っ子まで生まれた。「適齢期を過ぎるとどこへ行けばいいか分かりません。家族に会う度に『まだ結婚もしないで、どうするんだ』と心配するので、会わせる顔がありません」

 金ジンスはインタビューが終わってから、秋夕のあいさつを忘れなかった。「すばらしい秋夕なのに、今年は水害に遭われた方々がいるので心からは楽しめそうにありません。『家族作り』がそうした方々の少しもの労いになることができればと思います。

良い秋夕をお過ごしください」

チェ・スンヒョン記者
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